 吉本の東京本部が移転する旧四谷第五小学校(クリックで拡大) |
吉本興業東京本部(東京・神田神保町)の歌舞伎町進出計画の詳細が固まり、6日に正式に発表される。吉本は新宿区が掲げる歌舞伎町のエンタメランド化構想に乗る形で、同区から廃校となった小学校校舎を借り受け、来年4月に移転する。移転のきっかけとして吉本と創業家との確執もあるが、地元の新宿からは一連のお家騒動で表面化した暴力団との関係などについて問題視する声も聞こえている。
東京本部が移転するのは、花園神社やゴールデン街に隣接する新宿5丁目の旧四谷第五小学校の廃校舎など。吉本は老朽化した校舎に約7億円かけて改修工事を行い、来年4月から利用する計画だ。新宿区との賃貸契約は工事期間を除いて10年と長期で、保証金は4560万円、家賃は月380万円となっている。
歌舞伎町の浄化作戦を進める新宿区は、違法風俗店摘発などで生じた経済的なマイナスを補うため、歌舞伎町を大衆文化の一大発信拠点とする「エンターテイメント・ランド」に再生する構想を掲げており、吉本も協力していくという。吉本にすれば、現在の東京本部が手狭になり、ルミネに常設劇場がある新宿への移転を検討するなか、新宿区との思惑が一致したことになる。
だが、移転にはそうした表向きの事情とは「別の理由もある」と吉本関係者は打ち明ける。
かつて吉本の東京本部は港区・溜池のテナントビルにあったが、それを林裕章前会長(故人)の強い意志で、今の場所に移転した。今の東京本部が入るビルは、林家や吉本家など創業一族の資産管理運用会社といえる大成土地の所有なのだ。
「今の吉本は周辺の相場に比べて、かなり割高な家賃を払っている。反対に新宿の家賃は相場に比べて割安といえる。現経営陣は、一連の騒動で様々なスキャンダルが表沙汰になった林家と距離を置き、創業家に無駄な金を払いたくもないとも考え、林元会長の死後、移転先を探し始めた」(吉本関係者)
一方、吉本の歌舞伎町進出について、新宿区は今年2月にはじめて区議会に対して招致の意向を報告。
中田カウスと暴力団との繋がりなど様々な問題が表面化した後の5月に正式な契約を結び、事後に区議会への報告が行われたという。
ある区議は「私たちは芸能界の裏側を知らないが、あれだけ騒がれた吉本と区がこうした関係になることについて心配なところがある。歌舞伎町は暴力団排除を進めているのですからね…。反対の結果にならないといいのですが」と話す。
別の区議も「区は議決事案以外は、契約に至った経緯など詳細をなかなかこちらに明らかにしない部分があって、最低限の報告だけをしてくる。これからは吉本と暴力団との関係などについても、詳細な報告を求めて行くことを考えている」と語っている。
吉本興業は6月27日の株主総会で、創業家当主を自任する林マサ夫人らの意を受けた株主らから、カウス問題や使途不明金疑惑などについて厳しい質問を受けたが、現経営陣は誰もが納得できる説明はしなかった。
歌舞伎町から来春、スッキリと受け入れてもらうためにも、明快な説明と決着をつける必要があるといえそうだ。
ZAKZAK 2007/07/05