 CGアニメで未来に警鐘を鳴らす曽利文彦監督 |
2066年、日本は国連に反旗を翻し、鎖国を決断する−。18日公開のSFアニメ映画「ベクシル」の中身は、なかなかショッキングだ。
ハイテク技術を駆使し、鎖国を強行して10年。情報の途絶した日本に潜入した米国特殊部隊のベクシルは、ハイテク技術に支配されたショッキングな日本の末路を目の当たりにする。
「現在の社会を見ても、人は直接コミュニケーションをとるのを面倒くさがって、携帯電話やメールといったツールに頼っている状態。これは、個人の意志で情報をシャットアウトできるということに他なりません。同じことが国家レベルで起こったらと考えたんです」
曽利文彦監督が、発想のきっかけを語る。
「正直、アニメには興味がありませんでしたが、今のCG技術であれば、キャラクターの表情や動きで、繊細な心情を表現できると思い、挑戦しました」
曽利監督は、ハリウッドでCG技術を学び、世界中で大ヒットを記録した映画「タイタニック」(ジェームズ・キャメロン監督)で、CGアニメーターを務めた気鋭のクリエーターである。2002年には、実写とCGを融合した窪塚洋介主演の映画「ピンポン」で話題を呼んだ。
「CG技術では、世界選抜のハリウッドと日本が同じ土俵で闘うのは無理ですね。ベクシルも、日本ではトップレベルの技術だと思っていますが、ハリウッドには太刀打ちできない」と謙虚に話す一方、「日本のアニメには、海外のクリエーターでは絶対作れないセンスがある。ストーリーやアクション、キャラクターの緻密さなどは、高く評価されています」と自信ものぞかせる。
本作は、ヨーロッパなど世界5カ国の映画祭から招待を受けている。改めて、世界にジャパニーズアニメのインパクトを与えられるか。
ZAKZAK 2007/08/14