〈小説『サードラブ』に描かれているのは、30−40代の男女が織りなす恋愛模様が中心だが、そればかりではない。寝たきりの25歳男性の性欲と両親の揺れ動く心が繊細につづられている。幼少のころ障害児だった自身の体験がベースにある〉
3歳のときにポリオ(小児まひ)になって、顔から体の右半分が利かなくなったんですよ。
リハビリの記憶? あるよ。母と一緒に歩いていて「疲れた、もう歩きたくない」って言うと、「もうちょっと頑張って歩きなさい」と突き放されていたね。
今でも自動販売機にコインをスムーズに入れられないときなんか、ポリオを感じるよね。見た目は健常者だけど。
高校生のころに見たドラマが忘れられない。
30歳くらいの男の障害者が、「セックスをしたい」って親に泣きながら話すんだ。最初は反対していた親も「これでソープランドへ行ってこい」ってお金を渡す。で、色街へ出掛けるんだけど、追い返されるように家へ帰ってくる。親に「どうだった?」と聞かれて、してないのに「すごくよかった」って言うんだよ…。(編注・NHKドラマ「男たちの旅路〜車輪の一歩」1979年11月放送)
半分障害者という意識はいつもバックボーンにあるんだ。
〈181センチの長身に、60キロの体重をキープ。今は、健康そのものだが、“男の更年期”を疑ったこともある〉
30代半ば、体調の悪いことが続いてね。頭はさえないし、イライラするし、鬱(うつ)っぽくなって。症状を医師に話したら「それは更年期障害ですね」って言われてね。でも最近、ビタミンBが不足する低血糖症だったんじゃないかって考えるようになって、研究中。
健康を取り戻せたのは、「西式健康法」とヨガのおかげかな。西式の温冷浴で自律神経のバランスを整え、直に床に寝て背骨のゆがみをなくしたり、小食法を実践したりしている。
ヨガは毎日、1時間近くやるね。頭を下にして血を頭に巡らせ、さえさせるウサギのポーズやヘッドスタンド、日本で開発された股(こ)関節を広げるポーズとか。股関節が柔らかい人は柔軟な発想が浮かぶって聞いたこともあって。
30歳過ぎたころ肉を食べて下痢になってさ。以来、ベジタリアン。イライラすることも全然ないよ。=つづく
さんぷらざ・なかの 本名・中野裕貴。歌手。1960年8月15日生まれ、46歳。甲府市出身。早大政経学部入学後、除籍。84年「爆風スランプ」のボーカルとしてデビュー。99年活動休止を宣言。
7月11日に発売したアルバム「3rd LOVE」でソロデビュー。
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