 映画祭に力を尽くす角川歴彦氏 |
第20回東京国際映画祭が20日開幕する。「コンペに一貫性がない」「ゲストが地味すぎる」など批判を常に浴びながらも、日本映画界が総力を挙げる祭典に昨年は30万人が集まった。今回は節目の年とあって目玉企画も登場。「カンヌに並ぶスタートについた」と意気込む映画界の重鎮、角川歴彦(つぐひこ)チェアマン(64)は「もっと国が金を出すべきだ」と声高に訴えている。
「かなり理想に近づいている。回を重ねるごとに僕の要求も高まるから満足はないけれど」と手応えを語るのは理由がある。2003年に就任以来、オープニングイベントでレッドカーペットをゲストが歩く演出を手始めに、小泉・安倍と歴代首相をセレモニーに引っ張り出し、今年も福田首相に招待状を送った。2004年から始めたマーケット部門「TIFCOM」は初年度の83社が今年は166社と倍増。表(演出)と裏(機能)の双方で改革を実行してきた。
「チェアマンは体(てい)の良いスポンサー集め。これが切ないんですよ」
角川グループホールディングスCEOとしての人脈を駆使し、予算を就任時の4億円から13億円まで増やした豪腕ぶりは評価に値する。
だが、行政からの拠出は4割にとどまる。「本当は20億円ぐらい必要なんです。民間が集める構造は残しながら官の重みをもっと増すべき。国際映画祭は“準オリンピック”的なイベント。事務局のスタッフはボランティアだが、カンヌ映画祭は事務局長含めて、みんな国家公務員だからね」と、窮状を訴える。
そして、足下にも愛のムチを放つ。
「世界の映画人が東京を撮りたい、と言っているのに、映画人にとって撮影が厳しくて最もフレンドリーじゃない都市が東京。寂しいですよ。映画を撮り終わったら、映画人の方からもっと問題にしていいと思うんだけどなあ」
映画祭関係者からは、「都からの援助がないのは不可解。国と都が並び立ってほしい」という声も根強い。
今週はジョディ・フォスター、マット・デイモンといったハリウッドスターが出演作のPRで来日したが、映画祭と連動できないところに、世界的な値踏みが象徴されているのか。
映画祭は28日まで、東京・渋谷と六本木の2会場で行われ、期間中に300本以上の映画が上映される。コンペティション部門は668本から選ばれた15本が参加、賞金5万ドルの「東京サクラグランプリ」を競う。オープニング作品は日本の「ミッドナイトイーグル」、クロージングは日本・カナダ・イタリア合作の「シルク」。
ZAKZAK 2007/10/19