インターネット動画の世界で今、絶大な人気を誇る「チーターマン2」のテーマソングをご存じだろうか。“クソゲー”と呼ばれる陳腐なゲームソフトのBGMでしかなかったこの曲が、1カ月足らずの間に70万回以上も再生されている。秋川雅史や宇多田ヒカルもビックリの隠れた“大ヒット曲”に化けそうだ。
「チーターマン2」は、1992年にカリブ海に浮かぶ小国バハマのソフト会社が、市販した「チーターマン」に続き試作したゲームソフト。いずれも「スーパーマリオブラザーズ」のようなアクションゲームで、擬人化したチーターが、親の敵討ちのため、行く手を阻むケダモノを武器で倒していく。
このソフトが15年もたった今年10月16日、動画配信サイト「ニコニコ動画」に投稿されると、たちまち大反響。17日現在、再生数は約72万回。人気の理由をゲーム誌編集者が解説する。
「史上最低のクソゲー(陳腐なゲーム)だからです。雑な画像処理やストーリー展開の不具合が笑いをさそう。最大の敵として現れる猿は、踊りながら戦わずして敵前逃亡してしまいます」
その一方で、単調ながらリズム感のあるテクノ風BGMには、ネットのオタクから「神曲」と絶賛されている。オリジナルを編曲してヘヴィーメタル編や三味線編、オーケストラ編を投稿するファンまで登場。人気ドラマ「3年B組金八先生」のオープニングを無断でサンプリングしてラップ風にするマニアまで現れ、人気に拍車をかけている。
コンピューターゲーム音楽の作曲家で、シンガーソングライターの葉山宏治氏(42)はこう分析する。
「音楽的にすごいとは思えないが確かに耳に残る。ゲーム音楽はいかに少ない発音数で多くの音を鳴らすかが重要。チーターマンはすき間だらけだが、あえてそこに独自の妄想音をリズミカルに入れたくなる。スカスカの“クセ曲”です」
ちなみにゲームソフト会社は不良在庫を抱え倒産。音楽の著作権などは、あいまいだ。
「ニコニコ動画」を管理するIT企業、ニワンゴの広報担当者は、「動画投稿全体から見ても再生数は突出している。『ねこ鍋』のようにブレークすれば個別の商品展開なども考えられるが、今は何とも…」とコメントしている。
ZAKZAK 2007/11/16