AVビデオでわいせつな行為をすると知りながら、AV製作会社に女優を派遣したとして、芸能プロダクションの社長ら3人が、労働者派遣法違反の疑いで逮捕された。現在のAV界は、女優が専門プロダクションに所属し、作品ごとに制作現場へ派遣されるのが慣例だが、落ち目になった女優に“密告”されたのが逮捕のきっかけだった。業界関係者は「これを取り締まられては、AVは成り立たない!」と戦々恐々としている。
警視庁に逮捕されたのは、芸能プロダクション「エルエムジージャパン」社長(32)ら3人。2004年に専属契約した女性(21)を、AV制作と知りながら、女優として撮影現場に派遣した疑い。女性は05年4月から今年11月までの約2年半に、少なくとも45本の作品に出演していた。女優派遣が労働者派遣法で摘発されるのは極めて異例だ。
エル社は、傘下に4つのプロダクションを抱える老舗。女優自身の名前でパッケージを組む「単体」作品へ女優を派遣する「イオンプロモーション」、企画モノがメーンの「イオンスター」のほか、グラビアアイドルの「メタルボックス」などを持つ。女性は「イオンプロ」に所属したうえで、AV女優として活動していた。
では、なぜ今回の逮捕劇となったのか。女性のデビュー作のリリースにかかわった制作会社元社員が重い口を開いた。
「もともと彼女は、業界では有名な“問題児”。実力もないのに、社長たちが必死に取ってきた仕事にケチをつけたり、撮影開始後に条件面でゴネて、泣きながら逃亡したりとさんざんでした。デビュー後ほどなくして単体から企画にランクダウンし、エグイ仕事ばかりやらされた腹いせのタレ込みですよ。あれだけの作品に出演して、しっかりギャラも受け取っておきながら、この期に及んで派遣法違反もないでしょう!?」
関係者の間でも、社長への同情ムード一色だという。確かに、契約期間中の女性は、平均月1本以上のハイペースで出演しているが、デビュー翌年の13作目以降、全作品が企画モノ。中には30人以上の女優と出演した作品もあり「単体で1本100万円級でも、企画なら30万がいいところ」(先出社員)という待遇格差に、ブチ切れたとみられている。
AV界で単体で生き残れる女優は、「蒼井そらクラス」といわれるほどごく少数。大半は女性のように「単体→企画単体→企画」と流れ、2−3年で引退する。
女優をだましてAV出演させる行為は言語道断だが、落ち目になった腹いせに恩をあだで返されたのなら、多少の同情は禁じ得ない。女性は現在、どのプロダクションにも所属しておらず、消息は不明だ。
ZAKZAK 2007/12/11