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混浴“スケベ心”に迫る…自ら体験取材する山崎まゆみ

 「混浴」と聞けば日本各地はもちろん、アジア、アフリカ、南米など世界の果てまで飛び回る温泉エッセイストの、軽妙なルポルタージュ「だから混浴はやめられない」(新潮新書)。「恥じらいありスケベ心あり、さまざまな感情が入り交じりつつ、そんな小さな感情など一気に洗い流せるのが魅力」と語る“混浴学”に迫る。

 −−なぜ混浴にこだわる

 「男女に分けて隠せば隠すほど、のぞきが増えているのが日本の温泉。『風紀の乱れ』の名のもと、混浴が激減していますが、かつては老若男女一つの風呂場で触れあうおおらかさが、日本の温泉場にはあった」

 −−とはいえ、男性にとってはハードルが高い

 「混浴は歴史が長い“秘湯”が大半。最高の湯と最高の絶景が、生まれたままの姿で楽しめる。見渡す限り山、川、海。『旅に来た!』って最も実感できる。家族から離れ、文庫本2、3冊もってフラリとひとり旅に出るのにもピッタリ」

 −−恋が始まることも

 「特に冬場の露天の湯煙は“七難隠す”といい、男女とも余計に艶っぽく見えるもの。私自身、根室海峡の夕日に染まりながら、黒く日焼けした腕っぷしと、漁場で引き締まったセクシーな身体の男性と混浴して、“男”を感じました」

 −−肌をさらすことに抵抗は

 「私の姿が視線に入った途端、湯船で盛り上がっていた男性たちの会話が止まってしまいます。ふと見ると視線が突き刺さるみたいな感じ。でも、それも別にいやらしい視線ではなくて、私たちはこの先どうなっていくのだろうか、不安あり期待あり−みたいな」

 −−逆に女性から男性への視線も

 「女性は全然意識していません。男性は女性がいつ入ってくるかドキドキで、若いコならもっとドキドキ、おばあちゃんならガッカリ。でも女性は男性ほど“敏感”ではありません。もちろん、妙に近づいたりジロジロ見たりは論外」

 −−緊張を伴う混浴は、リラックスを求める温泉と矛盾するのでは

 「服を着た状態で妄想を膨らませてもダメ。極上の湯、雄大な景色、キレイな風がすべての緊張を打ち消してくれます。それに、さわやかな出会い。淫靡(いんび)な場ではないし、混浴の魅力は人であり風景。否定すればするほどゆがんできます」

 −−混浴初心者が参考にすべきポイントを

 「(1)湯が濁っている(2)くぼ地に湯が注がれているような、自然の景観を生かした湯船である(3)お風呂が大きい。濁っていれば入ってしまえば恥ずかしくないし、自然の浴槽なら居心地が良い場所で身を潜めるられる。また、人が2人入れる程度の間隔が保てれば、案外恥ずかしくない」

 −−よこしまな気持ちは肯定しても良い

 「イヤらしい気持ちは、男女ともに持っています。混浴入門のきっかけとしてこれを否定する必要はまったくありませんし、周囲がイヤがる行動さえ起こさなければ問題ありません」

 ■「だから混浴はやめられない」(新潮新書、714円)

 豊富な混浴の体験談を中心に、その妙味を紹介。神話に残る温泉発見伝説や、興隆を極めた江戸の銭湯事情なども分かりやすく解説する。失われつつある混浴習慣について日本文化、コミュニケーション論からも分析。全国混浴温泉ベスト50リスト付き。

 ■やまざき・まゆみ 新潟県長岡市生まれ。混浴風呂を中心に取材、執筆を続ける温泉エッセイスト。2008年、国交省が任命する、外国人観光旅行客に日本の魅力を発信する「YOKOSO! JAPAN大使」に着任。著書に『混浴美女秘湯めぐり』『いい湯にであう。』など。

ZAKZAK 2008/11/28

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