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17歳で“デカセギ”…日系ブラジル人のヒップホップ

歌手・石川ホベルト

石川ホベルト(クリックで拡大)

 非正規雇用、差別、いじめ、犯罪…。日系人を取り巻く厳しい環境が続く中、日本人との混成ヒップホップグループ「TENSAIS MC’S」のリーダー「MCベト」として、日本語とポルトガル語を織り交ぜ「未来を変えることができるのはおれたちだ。正しいことをしろ」と歌う。

 日雇い派遣で生計を立てながら「国境を越え、ひとつの声」をコンセプトに、これまで計7枚のCDをリリース。「日本発の新たなブラジル音楽」との評もある。

 1990年6月、17歳で“デカセギ”として来日。日本人の父親のいる神奈川県鎌倉市で働く予定だったが、派遣会社にだまされ群馬県太田市の工場に。名前も呼ばれない派遣社員。覚せい剤に手を出す友人もいた。「犬と過ごす時間が楽しかった」と振り返る。

 転機が訪れたのはラップとの出合い。「貧しさは白人のせいだ」と差別の現実を歌う黒人音楽を聴き「自分も経験を伝えたい」と、友人と「天才」の名を付けたグループを結成。「チャンスのない生活の中で自分に自信を持たせたかった」。ブラジル大使館などが主催したオーディションでグランプリに選ばれ、2003年にデビューした。

 「人を愛して命を大事にする。親が子どもを殺す現代の日本で、人間として大切なものを自分の言葉で伝えたい」と意気込む。「自分の歌を聞いて社会を見つめ直す人が増えてくれれば」。非政府組織(NGO)をつくり世界の貧困問題に取り組むのが夢。サンパウロ市出身の36歳。

ZAKZAK 2008/12/15

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