 ケータイから映画館へと若い客を呼び込む戦略の「クリアネス」(クリックで拡大) |
携帯電話で読むティーン向けの「ケータイ小説」が相次ぎ映画化されている。ケータイ小説が少女だけではなく映画の作り手にも人気を呼んでいる魅力はどこにあるのか。
2002年ごろから広まりだしたケータイ小説が初めて映画になったのは04年4月公開の「Deep love アユの物語」。昨秋には「天使がくれたもの」に続き新垣結衣(19)主演「恋空」が公開され、特に「恋空」は女子中高生の人気を集めて興行収入39億円を稼ぎ出して興行界を驚かせた。
そして、日本ケータイ小説大賞の第1回大賞受賞作を映画化した「クリアネス」が現在、公開中だ。「月とキャベツ」「はつ恋」など恋愛モノを得意とする篠原哲雄監督がメガホンを取った。実力派監督だけに、従来のケータイ小説映画に見られたファンタジー一辺倒の描写とは一線を画している。浅見敬プロデューサーは「ヒロインを想うレオとコウタロウの男性2人を、ステレオタイプではないキャラクターにして対比づけた」と語る。
ケータイ小説の多くは文章表現が単調と指摘され、扱われるテーマも売春やレイプといった際どいものが多い。一方で、中高生を活字に親しませる可能性もある。「10代を映画館に呼ぶにはケータイ小説が極めて有力と『恋空』が証明したことで、幾つもの企画が進んでいる。ただ、大人の映画ファン対象ではない」と映画ライターの安保有希子氏は話す。ケータイ小説は新しいジャンルだけに権利関係が入り組んでおらず、映像化する時に交渉窓口が少なくて済むのも映画会社には魅力的だ。今は映画化を条件に作品を集めることも多くなっている。
今後は、酸いも甘いもかみ分けた大人のカップルを酔わせるケータイ小説映画の登場に期待したい。
ZAKZAK 2008/02/29