 大河ドラマ「篤姫」で篤姫の夫・徳川13代将軍家定を演じている、旬な俳優・堺雅人(クリックで拡大) |
テレビに映画に、旬の俳優、堺雅人(34)が“微笑み旋風”を巻き起こしている。NHK大河ドラマ「篤姫」で演じた“うつけ”の将軍・家定では評価が一段と高まった。
「家定のハイテンションな演技もヘタな人が演じれば下品なだけ。育ちの良さをちゃんと出せるあたりタダモノじゃない」と語るのは映画評論家の折田千鶴子さん。“幕末モノは当たらない”とされた大河ドラマのジンクスを覆して中盤まで高視聴率をキープし続けたのは堺が演じた家定人気が大きな要因といわれる。
家定が「うるさい、うるさいうるさいうるさーい!」と側近に当たり散らす様も板についた。この世を去った13日放送分では、視聴率は26.2%(ビデオリサーチ調べ)とスタート以来で最高の数字を叩き出している。「『もっと家定を見たかった』『回想シーンでいいから、また登場させてほしい』というご意見をいただいています」とはNHK広報。とくに主婦層の支持は絶大だ。
人気の秘密は、ヨンさまのごとく、いつも柔らかい微笑みをたたえた顔立ちに涼しい目、映画ライターの多賀谷浩子さんは「取材で会うたびに、こちらをすーっと通り抜けていくような、透明で強い視線を感じる」と話す。折田さんも「理路整然とした話をしていたかと思うと突然、ボケてフワッと笑う。はぐらかされているんだけど納得してしまう」とゾッコン。
「微笑みながら悲しさを内面に、にじませる演技をさせたら当代一」(舞台スタッフ)の声も。
宮崎県出身。早大在学中に劇団「東京オレンジ」旗揚げメンバーとなり「小劇場のプリンス」と呼ばれ注目を浴びる。テレビ、映画に進出。「くせ者役が多く、行定勲監督のデビュー作『ひまわり』でメーキャップアーティスト、篠原哲雄監督の『張り込み』では団地妻と肉体関係を持つ会社員だった。性格俳優で伸びると思った」と当時を知る映画関係者が明かす。
知名度アップに大きく貢献したのが、同じ舞台畑の三谷幸喜(47)が脚本を務めた2004年の大河「新選組!」。副長の山南敬助として登場。歴史的にスポットが当たる機会の少ない役柄を好演。マニアックな人気に視聴率は伸びなかったものの、山南の死を嘆く投書が殺到し、「篤姫」でリベンジを果たした格好だ。
公開中の映画「クライマーズ・ハイ」では地元紙の冷静な県警キャップ・佐山記者役で新境地を開いた。
「知り合いの新聞記者や上毛新聞OBからも熱心に話を聞いて原田眞人監督に報告していた。佐山が小銭をポケットにジャラジャラさせているのは、堺さんの話を聞いて監督が採用したから」(映画スタッフ)
さらに堺が主演する最新作「ジャージの二人」の宣伝担当者がエピソードを紹介する。撮影時、堺の父親役を演じた鮎川誠(60)がせりふを覚えようと苦闘している時だ。
「隣に堺さんがすっと来て、鮎川さんとせりふ合わせを始めた。鮎川さんは『よく出来た俺の息子だ!』と感激していた」
男のハートもガッチリ。ただ者じゃない。
ZAKZAK 2008/07/23