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来年、円楽を襲名…楽太郎32年ぶり定席出演の舞台裏

協会との“確執”関係改善に前進

三遊亭楽太郎

 「30年経っていても、まだだめなんですね」

 円楽一門の真打ちは、いかんともしがたい表情ながら、さばさばとそう話した。

 日本テレビ系の人気演芸番組「笑点」のメンバーでもある三遊亭楽太郎(58、写真)が来年3月に6代目三遊亭円楽を襲名する。襲名披露を寄席の定席興行を落語協会(以下協会)と落語芸術協会(以下芸協)に協力要請していたが、協会が見送りを決めた。冒頭の発言は、その決定を受けてのものだ。

 東京には現在、定席の寄席が、浅草演芸ホール、池袋演芸場、上野・鈴本演芸場、新宿末広亭の4軒ある。

 この由緒ある4軒の定席興行に出演するには、協会か芸協に所属していなければならない(ただし芸協は、鈴本には出演していない)。

 楽太郎は、1978年に大師匠の三遊亭円生が真打ち制度をめぐり協会を脱退するまでは、寄席に出演していた。寄席は好きで「昨年の夏も、ぶらりと新宿末広亭に現れて、前座の仕事である高座返し(高座の座布団を裏返しにすること)をしゃれでやって、観客に喜ばれたこともありますよ」(演芸記者)。

 だが、それ以上の門戸は開放されていない。

 「円楽一門の披露興行は、一門のホームグラウンドである両国寄席ではやりますが、言ってみれば端席(はせき)。大きな名前になれば、4軒の寄席でやってこその襲名という思いがある」(演芸関係者)

 楽太郎の要請に、芸協は協力を決めた。「芸協の会長が桂歌丸、副会長が三遊亭小遊三です。『笑点』で仕事をしていますから、断れないですよ」(前出関係者)。

 芸協の決定で浅草、池袋、新宿の寄席には出演できることに。ただ、開席150年を迎え、ひときわ格式ある鈴本演芸場だけは、協会が首を縦に振らなかったため、実現しなかった。

 「円生さんは協会と対立した。当時嫌な思いをした師匠もまだ大勢残っている。無理ですよ。1年間で1度もトリを取れない真打ちもいるし、楽太郎さんが出れば円楽一門も何人か出ることになり、協会の落語家の出番が減るわけです。今はやりの“ワークシェアリング”というのもねぇ」(協会所属落語家)

 鈴本演芸場の席亭と楽太郎は、青山学院大学の先輩後輩の関係もあり、「席亭の心情としては出したい、という思いもあったようですが…」(演芸記者)。

 それでも結果的に、鈴本以外の3軒の寄席で興行できることは、円楽一門にとっては大きな一歩だと、演芸評論家の渡辺阿Q氏は指摘する。

 「将来的に、一門の大名跡の円生襲名もあると思います。円生の披露興行が寄席でできない、というのはさみしい話です。少なくとも3軒の定席で披露目はできるという可能性が、今回で見えた。収獲でしょう」

ZAKZAK 2009/01/30

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