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ワースト1位「おくりびと」…ケチつけた専門誌の反響

「映画芸術」独自スタイルで批評

ノン子36歳(家事手伝い)(クリックで拡大)

 オスカー効果で興行収入50億円を突破した映画「おくりびと」(滝田洋二郎監督)。あす18日発売のDVD版にも予約が殺到するなど、評価は増すばかり。もはや作品にケチをつけるのも、はばかられる風潮だ。ところがこの映画を2008年のワースト1位に選んでいた専門誌があった。その反響は−。

 「おくりびと」をワーストワンとして取り上げていたのは、今年1月30日に発売された専門誌「映画芸術」426号。脚本家の荒井晴彦氏を発行人に、独自の批評スタイルを貫く季刊誌で、恒例の日本映画ベストテン&ワーストテンを紹介した。

 選出は31の評論家・グループが投じた得点による。ベストテンは、ベスト部門の点からワースト部門の点を引き算して算出している。

 「おくりびと」は、6人がワーストで得点を入れ合計57点。一方でベスト部門では8人が得点を入れ、42点で140作中12位となった。それなりに評価もしているのだ。

 とはいえ、日本映画初の米アカデミー賞外国語映画賞の受賞作をバッサリ斬ったとあれば、ファンから何かしらの抗議があったのでは?

 編集部を直撃すると、「理由を尋ねる電話が1本ありましたが…抗議はありません。ただネットの掲示板では話題になっていましたね」と淡々。「もっと大きな反響になって売れ行きなど変化が出るかと思ったのですが、そんなに甘くはないですね」と肩すかし(?)だった。

 タブー視された題材に果敢に挑んだ「おくりびと」のファンは、さまざまな意見を受け止める器量もあるということか。

 その「映画芸術」がベストワンに選んだのは「ノン子36歳(家事手伝い)」(熊切和嘉監督)84点で最高評価を得た。

 離婚歴ある中年女性と、縁日の露店を出して一旗揚げようする若者との関係を描いている。映画やドラマにありがちの物事がうまく運ぶご都合主義的展開が一切ない。女優、坂井真紀(38)が迫真の濡れ場を演じるなどリアルなセックス描写もあいまって、一家言ある評論家諸氏にウケたようだ。

 ついでに、同誌がここ数年、ワーストワンに選んでいた映画を挙げてみると、「大日本人」「ゲド戦記」「ALWAYS 三丁目の夕日」など。案外、うなずく向きも多いのでは…。

 ■ベストワンの「ノン子36歳(家事手伝い)」は東京のロングラン公開を終え、14日から横浜のシネマ ジャック&ベティで公開中。初日は熊切監督の舞台あいさつも。大阪・第七芸術劇場は20日まで公開中。

【ワースト10】
 1 おくりびと
 2 少林少女
 3 ザ・マジックアワー
 3 私は貝になりたい
 5 トウキョウソナタ
 6 アキレスと亀
 6 七夜待
 8 歩いても 歩いても
 8 クライマーズ・ハイ
10 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
【ベスト10】
 1 ノン子36歳(家事手伝い)
 2 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
 3 接吻
 4 トウキョウソナタ
 5 人のセックスを笑うな
 5 PASSION
 7 闇の子供たち
 8 カメレオン
 9 石内尋常高等小学校 花は散れども
10 きみの友だち

ZAKZAK 2009/03/17

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