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波とツブツブとミミズと輪ゴム!?最新の「量子論」

物語性とビジュアル化でわかりやすく

 昨年のノーベル物理学賞は「小林・益川理論」など日本人3人が受賞。その効果もあって今、素粒子・量子論関係の本が読まれている。中でも全国の大学生協で火がつき版を重ねながら4万5000部を完売、なおも部数を伸ばしているのが、この「ねこ耳少女の量子論」(PHP研究所)だ。

【2種類の“物質”がうねうね】

 −−理論解説は竹内薫氏、それを藤井かおりさんがストーリー展開するという方法で、数多くの理系本を出してきた。ここにきてついに理系離れとは逆の現象が起き出した

「ねこ耳少女の量子論」(クリックで拡大)

 竹内「物知り博士が出てきて知識を授けていくという昔ながらの啓発本にはすまい、と。主人公は、量子の世界から来た猫耳のアキバ系美少女です。彼女に恋をした男の子が彼女を深く理解していくという物語をかおりさんが書き、量子を目に見えるものにした上で、さらに漫画家が漫画にした。物語性とビジュアル化によって難解な理論がわかりやすくなった、そこが受けたようです」

 −−それにしても量子論を物語にするなんて…

 藤井「竹内さんの説明を、なぜ、なぜとわかるまで質問して理解し、膨大な数の蔵書、私は“竹内文庫”と読んでるんですが、ここから関連本を探して読んで、それから物語を考えはじめます。あ、量子の話って波とツブツブ、それにミミズと輪ゴムの振る舞いなんだ、と思いました」

 −−ハァ〜ッ?

 竹内「物質は分子→原子→素粒子とどんどん小さく分解できます。で、分子あたりから量子と呼ぶんだけど、光も量子の“仲間”。つまり量子は波と粒子のふたつの性質を持っていて、この世はそれら量子と、量子同士を結びつける“連絡係”みたいなものからできているというのです。宇宙の始まりも量子が相転移(状態変化)したのだし、要するに量子論はこの世の成り立ちを説明する理論なんですね」

 −−目に見えないツブツブの、確かに壮大な振る舞い。でもミミズと輪ゴムは…

 竹内「その先の話。波でツブの量子は、では何でできているのだろうと考える人たちが出てきました。彼らは量子より小さい“物質”には2種類あって、振動する開いたひもと振動する閉じたひものようなものからできているという仮説を立てたのです」

 藤井「開いた方がミミズで、閉じた方が輪ゴム。それがうねうねと動いてこの世を満たしている、ワ〜ッて感じです」

 竹内「量子とは物ではなく事(振る舞い)のこと。それをうまく説明したのが『シュレディンガーの猫』と呼ばれる理論です。美少女はどこからきてどこへ行くのか彼女の猫耳が暗示してます」

 −−ところで理論に登場するシュレ猫に同情論を投げかけたのは世界広しと言えどもこの本だけ

 竹内・藤井「うふふ、その話は本の最後にね。量子が身近に感じられるはず、ですよ」

 ■竹内薫 たけうち・かおる 1960年東京生まれ。猫好きサイエンスライター。東大理学部物理学科、マギル大学院修了。「物質をめぐる冒険」(NHK出版)「コマ大数学科特別集中講座」(扶桑社、ビートたけし氏との共著)など著書多数。テレビのコメンテーター、ラジオのナビゲーターとしても活躍中。

 ■藤井かおり ふじい・かおり スポーツインストラクターであり文筆家。猫好き。「脳をめぐる冒険」(飛鳥新社、竹内氏との共著)など多数。

ZAKZAK 2009/05/08

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