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「こういうオネエは…」伏見憲明と中村うさぎが対談

「MILK写真で見るハーヴィー・ミルクの生涯」出版記念トークセッション(クリックで拡大)

 公開中の映画「MILK」は、1970年代の米サンフランシスコで、ゲイであることを公言しながら、初めて公職の重要ポストに就いたハーヴィー・ミルクという人物にスポットを当てた作品。

 偏見から差別を受ける同性愛者の人権を勝ち取るために戦うハーヴィーだが、志半ばにして同僚に射殺されてしまう。ハーヴィーは「タイム誌が選ぶ20世紀の100人の英雄」にも選ばれており、同映画は2009年度アカデミー賞で脚本賞、そしてショーン・ペンが主演男優賞を受賞して注目されている。

 このほど「MILK 写真で見るハーヴィー・ミルクの生涯」(ACBooks、1995円)が出版され、監修を務めた作家の伏見憲明氏と中村うさぎさんの対談が行われた。

 2人ともこの世界に無縁ではない。自らもゲイであるとカミングアウトしている伏見氏。夫がゲイだという中村さん。当日も新宿2丁目で朝5時まで飲み明かしたほど親交は深い。

 中村さんはゲイの仲間から人生を教わったという。「社会とうまくいかないと悩んでいたとき、世の中との戦い方を教えてもらった。私の場合は、もしゲイの人たちと知り合っていなかったら、さまざまなことで自分を責めていたかもしれない。革命とか運動は全く考えたことがなかったけれど、もしかしたらそういう道もあったのかも」。

 伏見氏は映画について「今の時代のオネエとは違う、70年代の自己肯定できないゲイをショーン・ペンが見事に演じていた。ネットリ感のある…今、こういうオネエはいない」と話す。数々の賞を総ナメにした演技が、時代性をしっかりと表現しているのだ。

 そして「ゲイの運動は反差別を訴えても、性が絡んでいてシリアスになりきれない部分がある。MILKでは人間にはみな同じように人権があるんだと訴えています。美談にできるのに美談にせず、“革命の人”だけで終わらせていない。何度も選挙に落ちたり、恋人が自殺したりとダークな部分も丁寧に描かれています」と映画の魅力を語った。

 「MILK 写真で見る〜」は、記録写真や映画のメイキング、そして市民の心をつかんだスピーチ全文などが1冊につまっている。映画と合わせて見、読むことによって、時代背景などより細かい部分を知ることができる。

■「MILK」は東京・渋谷のシネマライズ、シネカノン有楽町2丁目、新宿バルト9、大阪・シネマート心斎橋、京都シネマなどで上映中。

■「MILK 写真で見るハーヴィー・ミルクの生涯」出版記念トークセッション(21日、東京・新宿、ジュンク堂書店新宿店)

ZAKZAK 2009/05/29

中村うさぎ

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