手塚治虫“禁断”の傑作「MWムウ」が実写映画化
人間の原罪問う異色の作品
今年は歴史的傑作を生み出してきた天才漫画家、手塚治虫さんの生誕80周年。多くの手塚作品が映画化されてきた中、禁断の傑作と称され、映像化不可能といわれていた異色作「MW ムウ」が、メモリアルイヤーを迎えてついにスクリーンに登場する。どんな映画になるのか。
ある島の島民全員が死亡する事件が起こったが、政府によって闇に葬られた。だが神のいたずらで生き延びた2人の少年は、1人が神父に、もう1人は殺人者へと成長する−。
「MW」は1976年から2年間、漫画誌に連載された。夢と冒険が主流と思われてきた手塚作品の中でも異色。殺人者が国家を相手に復讐を企てる血なまぐさいものに加え、テーマが単なる正義と悪の問題でなく、人間の原罪を問う重いものだからだ。「何回も映画化の話が浮かんでは挫折したのは、人間性の深さ、複雑さが描けない、手に負えないと判断されたから」と配給関係者。だがメモリアルイヤーに向けて5年前から製作準備が進められ、「世界中がテロに怯える時代、人間の生き方の1つの答え方がこの作品にある」(同)と、ようやく日の目を見た。
さきごろ、都内で行われた完成披露試写会には、主役の玉木宏(29)、山田孝之(25)らが登場。玉木は、今までスイートで優しい二枚目役ばかりだったのが冷酷なモンスター殺人鬼を演じたことに「いい人の役ばかりだったから、悪役をずっとやりたかった」と楽しかった様子。いとも簡単に女の子を殺すところではファンならずとも驚くはずで、人間の残虐性について観客にボールを投げかけてくる。
タイトルの「MW」は“Mad Weapon”や、“Man Woman”の略という説があるが、手塚さんは明言していない。ハリウッド仕様の単純な勧善懲悪でない、手塚さんの先見の明には敬服するばかりだ。公開は7月4日。
ZAKZAK 2009/05/30
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