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奥田瑛二が明かす“演者の鬼”緒形拳知られざる素顔

“心の筆”集めた書画・追悼個展

 昨年10月に71歳で死去した俳優、緒形拳さんの未発表の書画を集めた追悼個展が東京・赤坂游ギャラリーで開かれている。発起人の1人で、公私ともに親しかった俳優、奥田瑛二(59)が、書画にも妥協を許さなかった緒形さんの知られざる素顔を明かした。

 会場は1991年の緒形さんの初個展と同じで、約30点の書画を展示。ゴツゴツとした力強い筆跡に目を奪われる。

 〈鬼にならむ 演者の鬼にならむ…〉

 熱い役者魂が伝わる一方、書の下に描かれた鬼の顔は愛嬌たっぷり。

 「緒形さんは、シャイだったし、本当に好きな人にしか自分の作品をあげなかった。僕も絵を描くから、その気持ちはよくわかります」

 2002年に奥田の初監督映画「少女」がパリ映画祭などでグランプリを獲得して、しばらくすると、緒形さんは誉め、「何でも欲しいものをプレゼントするぞ」と上機嫌に言った。

 「欲しい物がひとつある。緒形さんの書です」と答えると、緒形さんは真顔に戻り「それはだめだ」。

 「絶対に欲しい」と食い下がると、後日、津川雅彦(69)を交えた赤坂のすきやき店で、「好きなものを選べ」と3点の書を見せた。

 1点を津川に譲り、2点をもらおうとした奥田。だが、出来に満足しなかったのか、「返してくれ。もう1週間待ってくれ」と緒形さん。

 「返しません」と断ると、1週間後、きれいに額装された書を新たにくれたという。

 「『楽楽也』と書かれていました。本来の意味は違うようだけど、僕は『楽しいことは楽しい』と見たまんま解釈している。今も僕の宝物で、事務所に飾ってます」

 緒形さんは、奥田の06年の監督映画「長い散歩」に主演し、撮影中は同じアパートで寝泊まりした。奥田の部屋のドアノブには、まんじゅうや焼き鳥を入れた差し入れの袋をかけ、墨で書いた手紙を添えてくれた。

 「撮影が楽しいという気持ちが観念的、ユーモラスにつづられていた」と奥田。緒形さんの晩年には「言いたい放題言える関係」となり、遺作ドラマ「風のガーデン」にも出演した。

 「僕の2倍も太い指、がっちりした上半身に短い足、強い眼差し。目がこわくても心を許せば、すべてを許す優しい人。緒形さんの筆は、そんな本物の日本人の“心の筆”。長文でも一文字でも、息を止めて真剣に書いた。その姿勢は晩年の一人芝居にも通じていた」

 奥田は「緒形さんは死んでいない」と言い切る。「衛星放送のチャンネルをひねれば、特集が今もやっている。作品が永久の名作として残り、永遠に死なないというのは、精進した人にしかなし得ない。書画をご覧になる方も、緒形さんのエネルギーをもらってくれれば」。20日まで。問い合せは電話03−3584−0045に。

ZAKZAK 2009/06/12

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