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あの女王がヌードに挑戦も「恥ずかしくなかった」

70年代恋愛映画「美代子阿佐ヶ谷気分」

 1970年代に一世を風靡した漫画家、安部愼一の私小説風の作品が原作の異色恋愛映画「美代子阿佐ヶ谷気分」(坪田義史監督)があす4日公開される。安部の妻・美代子さんの役は、小劇場界の人気劇団「毛皮族」の看板女優、町田マリー(29)。破天荒な芸術家の夫を愛するヒロインを繊細に演じ、ヌードも披露している。

 映画は、1971年に人気漫画誌「ガロ」に発表された同名短編などがベースで、70年代初めの東京・阿佐ヶ谷が主な舞台。当然、主人公のカップルは安部と美代子さんの名で登場する。

 美代子(町田)とアパートで同棲しながら漫画を描く安部(水橋研二)は、実体験をもとにした創作活動に行き詰まり、精神を病んでいく。

 美代子の友人・真知子(あんじ)と浮気したことをわびるため、安部は美代子に自身の仲間・川本(本多章一)と無理やり関係を持たせ、ますます罪悪感に苦しむ。そんな安部を美代子は見捨てずに寄り添う。

 「演じているときは2人がうらやましくて仕方なかった。好きな人と一緒にいたくて、墜ちていくのも運命として受け止める潔さも素敵だと思いました」と町田。実生活でも同棲経験があり「好きな人の帰りを待つ気持ちとかもよくわかる」。

 映画では、スレンダーな裸体を披露している。

 「恥ずかしくなかった。安部さんも美代子さんの体に魅せられて漫画を描いていたんだから自然だと思いました」

 劇中では、当時の風俗をリアルに再現。町田は、高田恭子の69年のヒット曲「みんな夢の中」をギターの弾き語りで歌っている。

 「時代の空気を体に染みこませたくて、撮影期間中は当時のフォークやヒット曲を聴きこみました。もともと60、70年代には憧れがあるんです」

 そもそも劇団名の由来は、寺山修司の戯曲「毛皮のマリー」。自身の芸名は、夏木マリの曲「港のマリー」と夭折のサックス奏者、阿部薫を映画「エンドレス・ワルツ」で演じた町田康にちなんだというから、昭和のニオイを漂わすのは適役。

 原作者の安部は、現在は故郷・福岡で、美代子さんが切り盛りする縫製工場で働きながら創作活動を続ける。映画の試写を見て、「昔の美代子を思いだしたよ」と感想をもらしたという。

 「安部さんや美代子さんを傷つけないように演じようと思っていたから、うれしかったです」

 東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開。

ZAKZAK 2009/07/03

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