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文庫の中から書店員が選定…広がる!ご当地本屋大賞

「埋もれた傑作に光を」

 書店員が選ぶ本の賞といえば、全国規模の「本屋大賞」が有名だが、地方の書店が安くて手軽な文庫本の中から“ご当地本屋大賞”を選ぶ動きが名古屋や千葉、京都などで広がっている。選定されて本が増刷になった例もあるという。

 名古屋では今年初めて、市内の13店が合同で「名古屋文庫大賞」を設置。第1回大賞にミステリー小説「ストロベリーナイト」(誉田哲也、光文社文庫)を選んだ。

 本家の本屋大賞が小説限定だが、こちらは文庫であればジャンルは問わない。ハードカバーと違い、サイズが同じでスペースも取らないためPRしやすいという。

 1店につき2冊ずつを推薦。イベント期間中の今年3月、26の候補作すべてに賞名を入れた帯を巻き各店で並べた。

 「酒飲み書店員大賞」と銘打ち、文庫を選んでいるのは千葉県の書店。「埋もれた傑作に光を当てよう」と、メジャーな著者や出版後1年以内の本は避ける。

 選考メンバーの1人で「ときわ書房本店」(同県船橋市)の宇田川拓也さんは「初版止まりの本にも面白い作品はたくさんある。それを発掘したい」と話す。4年前、店員仲間で「ワセダ三畳青春記」(集英社文庫)をPRしたのがきっかけ。

 「普通の文学賞とは無縁だったので受賞は貴重だった」と高野さん。じわじわと部数を伸ばし、6万9千部を増刷。高野さんのほかの著書も注目されるようになった。

 昨年創設されたのは「京都水無月大賞」。第2回大賞は6月、鴨川べりを舞台にした京都小説「明るい夜」(黒川創、文春文庫)に決定。選定作品に条件はないが、選考メンバーの三省堂書店京都駅店の中沢めぐみさんは「将来は京都という地元を意識した趣向も考えていきたい」と言う。

 最近は本離れが指摘される一方、年間の新刊数は2万点近く増えて約8万点とインフレ状態。話題にならない本は次々忘れ去られている。名古屋文庫大賞を企画したリブロ名古屋店の店長辻山良雄さんは「近隣の本屋同士がライバルという次元を超えて、本全体に目を向けるよう取り組んでいきたい」と話す。

ZAKZAK 2009/07/17

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