「プロジェクトX」にあの人が苦言
あさま山荘事件指揮した佐々淳行氏

佐々淳行氏  NHKが人気番組「プロジェクトX 挑戦者たち」の2時間特番として今月8日放送した「あさま山荘 衝撃の鉄球作戦」が前後編の平均で20%近い高視聴率を記録した。しかし、その内容をめぐって、当時の関係者から苦言も寄せられているという。

 「番組は、長野県警や地元の人々の苦労話で、全編構成されていた。実際は警視庁・警察庁・長野県警などの合同で、人質となった保養所の管理人妻の救出が行われたが、それが伝わってこなかったと当時の警察関係者からブーイングがあがったというんです」(テレビ誌編集者)

 中でも指揮官の1人だった佐々淳行氏(当時、警察庁警務局監察官)=写真右=は納得がいかないようだ。

 「放送の翌日から、後藤田正晴氏や警視庁のトップクラス、当時の関係者から私のところに抗議の電話が届いた。私自身は『30年間、語られなかった人々のドラマを扱う』とは聞いてましたが、まさかあんな内容になるとは」

「突入せよ! あさま山荘事件」  “あんな内容”とは−。鉄球付きのクレーンを操縦した兄弟や、放水用の水を確保した新米消防士、炊き出しのおにぎりをつくった地元主婦たちの懸命な姿が再現フィルムをまじえて、感動的に伝えられた。

 が、実際はその背後で、無防備な状態下で放水にあたった警官がいた。おにぎりは零下20度の中でカチカチに凍り、前線で一番役だったのは、発売されたばかりのカップヌードルだった−というのが、当時の警察関係者の見方だという。

 「地元の人々をクローズアップしたいという、意図はわかりますが、あまりにサイドストーリーばかり。あれでは2人の殉職者や30人に及んだ負傷者、そして家族のみなさんがどんなお気持ちになるか。せめて、番組内で哀悼の意を表明してほしかった」

 そうコメントした佐々氏。折しも、自身の著書が原作の映画「突入せよ! あさま山荘事件」(原田眞人監督、5月公開)=同左=が製作の真っ最中。

 こちらでは、「どんな悪条件のなかでも、頑張り抜いて一緒に戦った名もなき機動隊員たちに光をあてて、若い世代にもぜひ知ってもらいたいと」と、「プロジェクトX」に対抗意識?も。

 さて、どちらの映像が、より真実に迫れるか…。

ZAKZAK 2002/01/24