仁科逮捕にスタッフから怒りの声
美術監督・西岡善信さん嘆く
故川谷拓三さんの長男で、俳優の仁科貴容疑者(31)=写真左=が、覚せい剤取締法および大麻取締法違反の疑いで逮捕されたことで、成長をバックアップしてきた京都の映画撮影所スタッフたちは、「これからというときに、なぜ?」と大いに嘆いている。とりわけ、美術監督の第一人者として知られる西岡善信さん(79)=同下=の怒り、悲しみは大きい。
貴容疑者が役者として、一躍脚光を浴びたのは2年前のNHK朝の連続テレビ小説「オードリー」。大部屋俳優の役柄と、芝居や表情が拓三さんにそっくりということで話題となった。このドラマのプロデューサーを務めた西岡さんは、映画人生のほとんどを、京都撮影所で過ごしてきただけに、貴容疑者の成長を最も楽しみにしていた。
「本当に拓ぼんに似てきたんで、ええ役者になると思ってたんです。今年も私と一緒にやる映画やテレビの出演がいくつか決まってたんで、期待してたんですがね。残念でたまりません」
昨年4、5月に京都で撮影された東映「化粧師(けわいし)」(田中光敏監督)も西岡さんが美術を担当し、貴容疑者は夫婦愛を強調する重要な役柄を演じた。このときは変わった様子はなく、真面目に仕事をこなしていたという。出演場面をカットしてはストーリーが成り立たなくなるため、予定通り2月9日にそのまま公開される。
が、警官役で出演した同じ東映の「突入せよ!『あさま山荘』事件」(原田眞人監督、5月公開)では貴容疑者のアップシーンをカット。
また、山田洋次監督初の時代劇として注目の松竹映画「たそがれ清兵衛」(今秋公開)への出演も決まっていたが、撮影前だったので降板。市川崑監督がメガホンを取る役所広司主演のフジテレビ系時代劇ドラマ(2−3月放映)の一話にゲスト出演したが、これは放送を見送ることに。
「映画やテレビは多くの人々の協力があって成り立つもの。理由がどうあれ、役者として絶対にやってはいけないことをした。自分の立場を分かっていたのか、本当に悔しいです」
拓三さんとも何度も仕事をしてきた西岡さんは、「拓ぼんが知ったらなんと言うか…」と声を詰まらせた。
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【西岡善信(にしおか・よしのぶ)】 大正11年奈良県生まれ。昭和23年大映京都撮影所美術部に入社。27年「天保水滸伝」で美術監督デビュー。カンヌグランプリ作品「地獄門」など名だたる監督作品を手がけ、大映黄金期を支える。47年フリーとなり、映像京都を設立。近作に、「梟の城」「御法度」「どら平太」など。
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ZAKZAK 2002/01/25
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