TBS「筋肉番付事故」で、事情聴取
収録中に重傷者2人を出す

人気番組「筋肉番付」の収録  横浜市青葉区のTBS緑山スタジオで5日夜、人気番組「筋肉番付」の収録中、出演していた男子大学生2人が相次いで重傷を負った事故で、神奈川県警青葉署は7日までに、業務上過失致傷の疑いで同局番組制作部長ら関係者から事情聴取し、同スタジオの現場検証を行う方針を固めた。視聴率を上げるため、安全をなおざりにして競技を過激化させた同局の番組倫理が問われそうだ。

 調べだと、5日午後7時40分から同9時半ごろにかけ、同スタジオ内に組んだセット=写真=で障害物競技の新企画「力島(ちからじま)」を収録中、相次いで事故が起こった。水路(幅2.5メートル、深さ約1.4メートル)を巨大な球(直径1.8メートル、重さ47キロ)に乗って渡る「ロックバレー」なる種目で、京大1年の中国人留学生、衛濤さん(19)がバランスを崩し、水路に転落。病院に搬送され、頚椎(けいつい)損傷と診断された。

 収録は続行され、傾斜15度の斜面(長さ4.5メートル)を転がり落ちてくる前出の球を受け止め、押し上げる「ロックアタック」で、東海大3年の伊佐拓哲さん(20)が球を受け止めきれず転倒、下敷きになった。伊佐さんは一時、意識不明となり、救急搬送されたが、搬送時には両足がマヒした状態だった。伊佐さんは頸椎などの損傷と診断され、入院した。

 「筋肉番付」は、成功可能性の低い独自の競技に高額の賞金を賭け、異なる種目のスポーツ選手らを競わせたことで人気に火がついたスポーツバラエティー番組。「力島」は、一般参加者が9種目のパワー系競技をそれぞれ制限時間内にクリアできるか競う新企画で、事故が起きるまでに82人が挑戦していた。

 TBSによると、収録前に仮セットを組み、スタッフや体育会系大学生のアルバイトが実演し、安全確認を行っていたというが、3日からの収録で同競技をクリアした参加者はゼロ。また、本番ではヘルメットも着用させていなかった。

 同署では、安全管理に不備があった業務上過失致傷の疑いがあるとみて関係者に事情聴取など調べに着手する。

 同局広報部では「力島の放送を取りやめるとともに、番組の安全対策や放送内容を再検討します」などとしている。

ZAKZAK 2002/05/07