石田ゆり子&大沢たかお、息ピッタリ
初共演映画「解夏」で熱演

映画「解夏」
映画「解夏」
 俳優の大沢たかお(35)と石田ゆり子(33)の初共演映画「解夏」(磯村一路監督、東宝配給で来年1月公開)の長崎ロケがこのほど行われた。徐々に視力を失う難病に冒される青年役の大沢は「胸に突き刺さる物語。病気に向かい合う男を毅然と演じたい」と意気込み、石田も「彼を見守る優しく強い女性を演じられ幸せ」とお互いを支え合う息のあった恋人ぶりを見せた。

 視力が失われつつある隆之の腕を取り、気づかいながら階段を降りる陽子。大沢と石田は、長崎名物の急な坂道を何度も昇ったり降りたり。磯村監督が互いに支え合う2人の姿を丁寧にフィルムに収めた。

 同作は、昨年12月に発売されたシンガー・ソングライター、さだまさし(51)の書き下ろし小説「解夏(げげ)」(幻冬舎刊)が原作。ベーチェット病という難病に冒された主人公・隆之が、恋人や家族、友人、教え子の支えで生きる力を取り戻す姿を描く。

 原作、台本を読んだ大沢の印象は「泣けるなー」。これまで「こうした純粋な人間ドラマは演じたことがない」といい、作品にかける思いはひとしお。そのため、クランクイン前に密かに長崎を訪れ現地の空気を肌で感じたり、ベーチェット病を患う同年代の青年を取材して撮影に臨んだ。

 目が見えない姿をどう観客に見せるか難しいが、大沢は「障害を見せないように普通にふるまう方が人間らしい。お会いした方はとても毅然としていた。病気を主にするのではなく、それを支え合う人間愛を大事にしたい」と精神的な演技に集中している。

 一方、「ストレートなラブストーリーは初めて」という石田は「こういう役を演じるのは(女優として)とても嬉しいんです」と本人のイメージ通りの献身的な女性を生き生きと演じていた。

 原作に惚れ込み自ら台本も手がけた磯村監督は2人の熱演に満足の笑顔。「切なく暗い話だけれど、何とか明日へ生きていこうという思いを抱いてもらえる作品にしたい」と1カットごとに思いを込めていた。

★石田、さだまさしに心酔

 原作本を読み「言葉の選び方や場面展開など、はかりしれない才能がある方ですね」とすっかりさだに心酔した石田。実は、物心ついてから初めて感動した曲がさだの「関白宣言」という。「8歳の時、同級生の男の子の家に招かれて聴かされたんです。歌詞がみるみる頭に入ってきて、感動しました」。とくに「オレより先に死んではいけない〜」という歌詞がお気に入りとか。

★「解夏」は

 東京の小学校教師、隆之(大沢たかお)は徐々に視力を失うベーチェット病に冒され学校を辞める。恋人の陽子(石田ゆり子)と別れ故郷・長崎に帰った。美しい町を目に焼き付けるかのように歩き回る隆之を見守る母(富司純子)。隆之を追ってきた陽子と訪れた寺で老人(松村達雄)から解夏(げげ)の話を聞く…。“解夏”とは、禅寺の修行僧が行う夏の修行の終わりを指す。

ZAKZAK 2003/06/21