元美人キャスターが監督に…「TAIZO」撮った
「奥山さんにと勧められ…」

「TAIZO」
 ベトナム戦争の最前線取材に赴き、26歳の若さで死去したカメラマン、一ノ瀬泰造の生涯を描いたドキュメンタリー「TAIZO」が29日、東京・渋谷シネ・ラ・セットで公開される。カンボジアにも足を運んで泰造が生きた時代を再現したのは、映像作家の中島多圭子さん(32)。情報番組のキャスターから撮る側に回り、2年間かけて完成させた労作だ。

 中島さんは津田塾大2年のとき、篠山紀信氏撮影「週刊朝日」女子大生シリーズの表紙モデルにもなったほどの美人。在学中から、番組リポーターやテレビ朝日の情報番組「やじうまワイド」のキャスターを1年3カ月にわたって務めた。

 その彼女が、戦争カメラマンを題材にドキュメンタリー撮影…。

中島多圭子監督
中島多圭子監督
 「5年前、泰造を描いた映画『地雷を踏んだらサヨウナラ』の製作発表を取材し、初めて彼の存在を知りました。日本人の戦争カメラマンではピュリツァー賞の沢田教一が有名ですが、泰造に私は“夢に忠実に生きる”姿を見た。私自身そのころ、テレビの世界でやっていくかどうかの迷いがあり、なおさら引き付けられたのでしょう」

 学生時代からパレスチナ問題に関心を持ち、「戦争と平和」について考えてきた。戦火に飛び込んだ泰造の生き方を知り「一歩踏み出してみよう」と考えたという。

 「『地雷を−』のプロデューサーの奥山(和由)さんに、自分でビデオカメラを持って撮影する側に回ってみないか、と勧められ、取材を重ねたんです」

 60時間を超える取材テープを1時間半に編集。泰造の声に人気俳優、坂口憲二(28)を起用して観客を呼べるドキュメンタリーに仕上げた。

 「自分がテレビに出ていたときは、自分の言葉で話せなかったし、伝えたいことが伝えられなかった。今は説得力があることを話せるようになったと思います」

 公開中は、連日映画館に足を運ぶ覚悟。ひょっとしたら彼女に会えるかも…。

 東京・池袋の東京芸術劇場小ホール2で20日から、舞台「ROAD 地雷を踏んだらサヨウナラ」(作・演出、久松真一)も上演される。23日まで。

ZAKZAK 2003/11/20