還暦なんてまだ青い…究極のシルバー映画
映画「死に花」クランクアップ

 主要キャストの平均年齢が70歳! しかも5人のシルバーが、17億円の銀行強盗を敢行する奇想天外な映画「死に花」(犬童一心監督、5月公開予定)が、このほどクランクアップした。大金奪取計画で生きがいを取り戻すお年寄りの活躍を山崎努(67)の主演でコミカル、ヒューマンに描いている。

 老人ホームで暮らす5人組の1人、源田(藤岡琢也)が逝った。菊島(山崎)に残されたのは、銀行から17億円を強奪する詳細な計画。菊島と仲間たちは計画通り、銀行の下までトンネルを堀るが、成功目前で…。

 太田蘭三の同名小説の映画化。生前に自らの葬式を演出したり、女性に目がないなど、シルバー世代の死生観、恋愛観、やる気が物語の核に。

 山崎はじめ青島幸男(71)、宇津井健(72)、谷啓(71)、長門勇(72)らの平均年齢70歳、長老の森繁久彌(90)を加えると73歳にアップし、「還暦はまだ青い」というコンセプトも納得だ。

松原智恵子
松原智恵子
 撮影現場をのぞくと、皆さんトンネル堀りのシーンで顔を真っ黒にし、腰も痛そう。だが、待ち時間の宇津井は常に体を動かし、青島と谷はクロスワードパズルで“頭の体操”となごやか。

 山崎は「老いは恐怖で不安だが、瞬間瞬間に対応するのが生きる楽しさ。そのためにも新鮮な好奇心を持ち続けたい」と意気込む。菊島と愛し合うマドンナ・鈴子役で、ベッドシーン(!!)もある松原智恵子(59)は「ハイ、大人のシーンになっています。内容は見てのお楽しみ…」と含み笑い。

 「ジョゼと虎と魚たち」がヒット中で、「死に花」が初のメジャー作品になる犬童監督は「生きているなあ、と思える瞬間こそ何ものにも代えがたい。このシンプルなテーマを老人たちを通して味わい深く、切実に描けると思った」と語る。

 介護、年金破綻…と高齢社会は暗い話題が先行するが、本人たちは行動力も思考力も健在。シルバー世代を元気づける映画といえそうだ。

ZAKZAK 2004/01/31