民主党・小沢一郎幹事長(67)や歌手の松山千春(53)が罹った虚血性心疾患の1つ。心臓を取り巻く冠動脈の血管が狭くなり一時的に血液不足になる病気。胸の発作はすぐ治まるが、進行すると心筋梗塞に移行しやすい。ただちに循環器科を受診することが肝心だ。
【胸がギュギュと痛い】
最大の症状は「胸の痛み」(発作)だが、何かで刺されるような激痛と思っていては見落としかねないので要注意。
「胸が締め付けられるような、何かで強く押し付けられるような痛み、不快感」と表現するのは、佐藤内科小児科医院(東京・四谷)の佐藤廣院長(循環器専門医)。その発作が起きている時間は大抵2−3分、長くて10分ほどだ。
また、痛みを感じる場所は心臓のある左胸とはっきり分かるものでもない。「みぞおち辺りや背中。左側の腕やあごの方まで放散痛が広がることがあります」(佐藤院長)
【突然死の原因にも】
発作が起こるのは冠動脈の血液の通りが一時的に悪くなるから。その原因によって狭心症は2つのタイプに別けられる。
1つは「労作性狭心症」。
動脈硬化で血管の内腔が狭くなっていて、階段を昇るなど体を動かす(労作時)と必要とする血液の量が足りなくなる。だから、発作が起こるのは労作時だけだ。
一方、睡眠中や座っているときなど安静時に起こるのが「安静時狭心症」。
血管にケイレンが起きて狭くなるのだが、原因がはっきり分かっていない。
温度差で誘発されたり、朝方に起こりやすい傾向はあるものの、基本的にはいつ起こるか分からない。「冠動脈のケイレンが取れると発作は治まるが、その後に不整脈が出ることがある」と佐藤院長は突然死の原因になりうることも指摘する。
【不安定狭心症が怖い】
また、発作の起こり方によっても、さらに2つに分類されている。狭心症は治療を済ませても発作が残ることがある。ただ、症状は軽く頻度も安定しているので「安定狭心症」と呼ばれ、とくに命には別条はない。
一方、治療の有無にかかわらず発作が頻発し、時間も次第に長くなるのが進行型の「不安定狭心症」。こうなると労作性狭心症でも安静時に発作が出現するようになってくる。早いうちに血管内手術やバイパス手術で血流を正常化させないと急性心筋梗塞を起こす危険性が高い、もっとも怖い狭心症の状態だ。
佐藤院長は「冠動脈の狭窄は普通の健診や心電図では分からない。メタボおよび予備軍の人は誰に起きてもおかしくない」と釘を刺す。
胸痛は胃炎や食道炎でも起こる。精密検査できっちりシロクロつけることが大切だ。
【「狭心症」チェックリスト】
□左肩が凝る
□背中や肩こう骨が凝る
□みぞおち辺りに締め付けられるような痛み、圧迫感がある
□締め付けられるような胸の痛みは2−3分で治まる(長くても15分以内)
□胸の痛みが左側の肩や腕、あごの方まで広がる(放散痛)
□階段や坂道を昇ると胸が痛む
□安静時や睡眠時に胸が痛む
3つ以上該当するようなら可能性がある
※佐藤内科小児科医院(東京・四谷)/佐藤廣院長(循環器専門医)作成
