「加齢難聴」に注意 音より言葉が聞きづらく 50代までに察知できれば対策も

2014.06.24


日本人の年齢別平均聴力【拡大】

 「最近、本が読みづらくなってね。いよいよ老眼かな」といった会話はそこここで耳にするが、耳が遠くなったというのは聞かない。当たり前だが、視力同様、耳も加齢で衰える。しかし、視力の衰えほど気づかないものだ。「お父さん、最近テレビの音が大きいよ」。この言葉が思い当たるようなら黄色信号だ。

 「耳が遠い」といえば、高齢者というイメージが強いが、聴覚の衰えは30代からすでに始まるという。進行が緩やかなため自覚しないことが多いというが、テレビのボリュームが大きくなっていたり、話を何度も聞き返したりするようだったら要注意。中には生活に支障なしと放っておく人もいるが、周囲の人間は不快に思っていることが少なくない。人間関係に悪影響が出る前に手を打ちたいところ。

 耳もほかの器官同様に老化しているという認識を持つことが第一歩と説くのは東京大学先端科学技術研究センターの大沼直紀医学博士。

 「加齢による難聴の多くは『感音性難聴』といい、音が聞こえても言葉が聞き取りづらいというのが特徴です。難聴というと耳栓をしたように音が遠くなるというイメージがもたれがちですが、ヒアリング能力の低下も難聴であると認識を改めてもらいたいです」

 感音性難聴の特徴は高音域や子音が聞き取りづらくなるという症状。とりわけK、S、Tはそれが顕著で、たとえば「竹下さん」は「あえいああん」のように聞こえるようになるという。映画やバラエティー番組のセリフが聞き取れない、車中のように雑音が多い場所での会話が難しくなっていたら要注意と大沼氏は警鐘を鳴らす。

 残念ながら、加齢に起因する症状だけに投薬や手術では回復が見込めないといわれている。

 治療不可能とはまるで救いのない話だが、「聴脳」を育てる聴能訓練の研究が進んでおり、早い時期に手を打てば、進行を遅らせられることがわかってきているという。つまり、40、50代で難聴の気配を察知できるかどうかがカギを握っていると大沼氏もアドバイスする。

 すでにトレーニングではどうにもならないほど聴力が低下していた場合は、補聴器を使うことも検討の余地ありだ。

 「補聴器なんていかにも年寄りじみていて嫌だ」という意見も根強いが、昨今の補聴器は、着けているのに気付かないほど目立たないものから、今時のミュージック用のイヤホンと変わらないほどおしゃれなものまで出てきている。

 さらに、このところ注目の的となっているのが、スマートフォンを利用した補聴器。ジーエヌリサウンド社が発売するリサウンドリンクス(片耳49万円、両耳83万3000円)はiPhone、iPadアプリと連動した補聴器で、高音が聞こえにくい、低音が聞こえにくいといった個人の設定や、周辺の騒音状況に合わせて細かく手元で調整できるという優れもの。うっかり補聴器をなくしてしまってもGPSなどを使って現在位置を捕捉できるという安心機能も付いている。他のアプリ同様、機能拡張の可能性もあるという。

 眼鏡に比べてまだ特別なものという印象がある補聴器。生活の一部となったスマホと連動することで、より身近になると期待されている。

 

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