「突然死」 “不安”などが心臓へ直接ダメージ与えることも…

2015.11.18


イラスト・メソポ田宮文明【拡大】

 昨日まで普通に仕事をしていた人が突然、命を落とす−。当人が気の毒なのはもちろんだが、周囲に与えるショックの大きさも計り知れない。しかし「突然死」はいつ、誰の身の上に起きても不思議ではない。特にストレスを抱える人にとってはひとごとではないのだ。

 ◇

 フォトグラファーのAさん(50)は、最近離婚して1人暮らし。子供はいない。

 ある日、約束の時刻になってもAさんが撮影場所に来ないことを心配した編集者が自宅兼事務所を訪ねた。管理人立ち会いのもとで部屋に入ると、寝室でAさんは冷たくなっていた。

 警察が来て検視の結果、死因は心筋梗塞。発見された時点で、死後1日が過ぎていた。

 発見が月曜日だから、亡くなったのは日曜日。2日前の金曜日には編集者が電話で話をしており、特に変わった様子はなかった。まさに「突然死」だったのだろう。

 ただし、ストレスはあった。離婚後は外食中心で、酒の量も飛躍的に増えていた。もともと血圧が高かったが、「老後のことを考えると不安で…」と仕事を詰め込み、医者にかかる時間を惜しんで仕事に明け暮れていた。

 「ストレスが突然死の原因になることは非常に多い」と語るのは、綾瀬循環器病院院長の丁毅文医師。続けてこう話す。

 「ストレスが運動不足や食生活の乱れを生み、肥満や高血圧、高脂血症など、突然死の原因を作り出す。心筋梗塞や大動脈解離など、命に直結する重大疾患の温床となるだけでなく、ストレスがそのまま心臓にダメージを与えることもある。最近では、心臓の先端の周囲が動かなくなる“タコツボ型心筋症”という病気が被災地で増加しているという報告があり、ストレスとの関連が指摘されています」

 突然の発作に驚き、苦しみ、救急車も呼べず、誰にも看取られることなく命を落としていったAさん。無念だったに違いない。

 「せめて医者にかかる時間をつくっていたら…」と、仕事仲間は悔やむが、それができない仕事人間は大勢いる。その人たちが、明日突然死するかもしれない。

 突然死は、意外に身近な存在なのだ。 (長田昭二)

 

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