胃酸がのど元まで逆流する「呑酸」 ストレス&肥満の解消が不可欠

2016.03.23

イラスト・メソポ田宮文明
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 ストレスで込み上げてくるのは、怒りや悲しみだけではない。胃から食道に込み上げてくる「胃酸」があるじゃないか。この「込み上げてくる胃酸」を「呑酸(どんさん)」という。のんきな名前を与えられたものだが、胃も食道も、こいつのおかげで大変なのだ。

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 Sさん(45)は、のど元まで込み上げてきたものを飲み込んだ。この「酸っぱいもの」の正体は胃酸。最近頻繁にSさんの食道を逆流してくる。

 若い頃から疲れがたまったり、ストレスが多い時にこの症状を自覚することが多かった、と彼は言うのだが…。

 「たしかにストレスがこの不快な症状を引き起こすことはあり得ます」と語るのは、千葉県野田市にあるキッコーマン総合病院院長代理の三上繁医師。続けて解説する。

 「胃酸がのど元まで逆流することを“呑酸”と呼びますが、以前は逆流性食道炎という病気の症状とされてきました。近年は食道に『炎症』がなくても呑酸が起きることがわかってきたことから、“胃食道逆流症”という新しい病名が付けられています」

 胃食道逆流症の症状には、呑酸の他に、胸焼けやげっぷ、のどの違和感、胸のつかえ−などがあるという。

 逆流する原因は食道と胃の境目にある下部食道括約筋という筋肉が緩むことによるものだが、ストレスがかかると胃酸の分泌が促されるので、呑酸のリスクが高まるのだ。

 「肥満体型の人は内臓周囲にたまった脂肪の圧力で括約筋の締まりが弱くなる傾向がある」と三上医師は指摘するが、たしかにSさんのおなかはメタボ腹。ストレスと肥満のダブルパンチで、食道と胃の境目は形骸化してしまい、自由通路と化している。

 「プロトンポンプ阻害剤に代表される胃酸抑制作用のある薬を2週間使って、効果があれば胃食道逆流症と診断されます。食道がただれている場合も、この薬で胃酸を抑えれば修復可能ですが、ストレスと肥満の解消は不可欠」と三上医師。

 体を締め付ける服や寝る前の食事を避けるなどの対策も、呑酸予防には効果的。ストレスでつらいのは分かるけれど、胃や食道まで巻き添えにしないようにしましょうね。 (長田昭二)

 

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