【ニッポン病院の実力】東京医療センター・総合診療科

2009.09.11


松本純夫病院長【拡大】

 「おはようございます。受付業務を開始させていただきます。大変お待たせいたしました!」

 朝の8時30分。外来カウンターには、副院長、事務部長、看護師ら職員約30人がズラリと並び、受付待ちの患者たちに頭を下げて出迎える。

 まるで百貨店のような光景が、2年前から見られるのは独立行政法人・国立病院機構「東京医療センター」だ。

 「患者満足度日本一を目標にする病院全体の姿勢がよくわかるとの評価を頂いています。心を教えてもらうために、新人研修では、帝国ホテルの迎賓館担当経験者を招いて、一流の接遇専門家から接遇の心を教えてもらいます。新人たちには新鮮なインパクトを与えるみたいですね。国立病院機構が患者に行っている満足度調査でまだ10位くらいですが、1位を目指しています」と語る松本純夫病院長。

 昨年度の入院患者は、延べ25万人以上。うち4分の1は、夜間などの時間外診療からの入院で、心肺停止などの3次救急も1000例を超える。救急要請に応える率は「90%以上」と高く、救命救急センターを有する急性期総合病院として東京・目黒区や世田谷区などの地域医療に貢献してきた。

 「2004年度からスタートした初期臨床研修制度(卒業後2年間の必修研修)は、大学を除く単一プログラムで一度2位でしたが、そのほかは常に全国一の人気であったことが、我々の誇りでもある。今後もその評価を維持してこうと努力しています」

 人気の秘密は、1986年に作られた「総合診療科」。ありふれた病気なら何でも診れる科を核に、内科系、外科系のバランスの取れた研修(スーパーローテート方式)が、以前から行われていたことにある。

 来年4月には東京医療保健大学と提携して、東が丘看護学部及び大学院看護学研究科を開設。診断、治療を行える実践能力を「診療看護師」を育成していく予定だ。

 「今、“5分診療”が言われていますが、1人の患者をきちんと診療するには、20〜30分は必要。外科の領域でも最近、専門の訓練を受けた診療看護師に手術させたほうが、成績が良く、合併症も少ないというデータが米国の大学で出ている。麻酔でも、放射線治療でも、そういう特殊な能力のある看護師を養成したいというのが、現場の声なんです」

 昨年から、東京都認定がん診療病院にも認定された。とくに早期の前立腺がんの治療は、斉藤史郎医長が日本初の「密封小線源(しょうせんげん)治療」(前立腺に約200本のイリジウムの管を入れると、手術なしで、男性機能も失わずにがんをコントロールできる)を導入。症例数は日本一を数える。

 「臨床研究センターを、臨床の疑問を1つ1つ解決できるような研究施設に育て、日本の治療成績を向上させたい」

 一流の接遇サービスを心掛けるとともに、国民に健康な生活を提案できるような組織づくりを模索している。

(池上正樹)

【データ】2008年度

★1日平均患者数703.2人

★平均在院日数15.1日

★全身麻酔手術件数3320件

★病床780床(うち一般730床)

〒152−8902

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