軽症では気づいていない人も多く、国内推定患者数10万−30万人とされる慢性の皮膚病。命にかかわる危険性はごく少ないが、赤い発疹の出没を繰り返す。完治は難しい病気なので、うまくコントロールしながら付き合っていくことが大切だ。
【フケが増えたら注意】
症状の現れ方によって5つの型があり、約90%は頭皮や肘、膝など擦れやすい部分に発疹がでやすい「尋常(じんじょう)性乾癬」。赤い発疹の表面の皮膚がフケのようにポロポロとはがれ落ちるのが特徴だ。
「最初は頭皮にできることが多いので、急にフケが増えたと思ったら発症していたというケースがある」と話すのは、社会保険中央総合病院・皮膚科の鳥居秀嗣部長。
頭皮にできやすいのは毛髪が伸びるときに毛が皮膚を擦るからだ。
約半数の人にかゆみを伴うが、それほど強くないので発疹の範囲が小さい軽症では気づいていない場合がある。もう1つ症状をあげれば、爪は皮膚の一部なので発症者の約60%に手や足の爪の変形がみられることだ。
【がんよりQOL低下】
男性は働き盛りの30代後半から40代に発症が多く、女性は10代後半から20代と50代に多い。
原因は分かっていないが、基盤に免疫の異常があることは間違いないと見られている。
「発疹の出没はじん麻疹みたいに完全に消えるのではなく、波があるように繰り返す。強く出るのはストレスや過労があったり、風邪などの感染症がキッカケになることが多い」(鳥居部長)
尋常性乾癬の場合、困るのは発疹の出没による見た目などの精神的な苦痛。鳥居部長は「がんや糖尿病などの疾患よりQOL(生活の質)の低下は強い」という。
【重い症状に新薬登場】
また、乾癬の約5%にリウマチのように関節が痛む症状(関節症性乾癬)が出現することがある。ごくまれ(約1%)には発熱や倦怠感を伴い全身の皮膚が急激に膿を持った状態になる「膿疱(のうほう)性乾癬」がある。
こうなると重症型で死亡する恐れがあるので入院治療が必要だ。
普通の尋常性乾癬であれば通院で外用薬、内服薬、光療法(紫外線照射)の組み合わせが一般的だ。が、つい最近、すでに関節リウマチに使用されている新薬(注射)が関節性乾癬などの重い症状の乾癬によく効くとして追加承認を受けている。
実際、完治は難しいが糖尿病と同じように治療で病気とうまく付き合っていくことが大事。上手にコントロールすれば発疹は目立たないという。
鳥居部長は「他人に感染する病気ではないので、周囲の人は偏見を持たないように」と強調する。
外から見えない発疹でも早めに受診しておこう。
★「乾癬」チェックリスト
□皮膚が赤く厚くなり、表面から銀 色のふけ状のものがはがれ落ちる
□病変は頭皮やヒジ、ヒザ、腰から 尻など擦れる部分によくでる
□病変は全身に広がることがある
□病変は夏より冬に悪化することが 多い
□ストレスや疲れで悪化する
□爪の変形がみられることがある
□関節痛を伴うことがある
かゆみの有無にかかわらず、最初の項目に加え他に該当の項目があれば疑われる。
※社会保険中央総合病院・皮膚科/鳥居秀嗣部長作成