「白い歯に保険はきくの? きかないの?」
「銀歯は目立つからイヤ。保険がきく白い歯で治療できませんか?」
「前歯には保険がきかないんですよね?」
「保険がきかないとなぜこんなに高価なの?」
診療していると、よく患者さんから質問されます。歯科の保険の仕組みは煩雑で、私もときどき保険点数の本で調べなければいけない覚えきれないほど複雑なルールがたくさんあるんです。そんな歯科医の保険治療についてお話ししますね。
まず保険とは基本的に、病気に対する保障しか行われていません。保険がきく材料や治療法は、病気を治すために最低限必要なものだけが認められています。
病気の治療ではないものや最低限とは認められない高度な治療や材料は、きかないです。歯列矯正、ホワイトニングなど審美的な治療、インプラント、予防処置、セラミックの歯などですね。
同じような処置でも、保険がきく場合ときかない場合があります。
たとえば抜歯。親知らずの炎症や虫歯が大きくて抜歯する場合は、病気を治すための治療ですので保険が適応されます。歯並びを治すための矯正前の抜歯などは、適応されません。また矯正でも口唇裂や口蓋裂、顎変型症では適応となるケースもあります。
前歯には保険がきく白い前歯がもちろんあります。ただし白い歯といっても種類も様々。
前歯の被せものは「硬質レジン前装冠」が一般的に保険適用されます。銀歯ベースのものに、外側の見える面だけにプラスチックを貼り付けてコーティングします。
奥歯は、噛み合わせの力で割れない銀歯が保険の適応となります。
歯科での奥歯とは、小臼歯および大臼歯のこと。八重歯よりも奥の歯がすべて臼歯です。真ん中から数えて4本目以降ですから、にっこり笑うと見えてしまう場所が銀歯になってしまうことも。
奥歯にも白い歯を入れたいなと思ったら、銀歯ベースのうえにセラミックを焼き付けて白くコーティングしたものをかぶせますが、これには保険がききません。
保険の前歯と同じく白い被せ物のように見えても、プラスチックとセラミックでは硬さがぜんぜん違います。セラミックコーティングされたものは硬いので、奥歯にかぶせることが可能です。
前歯に保険適用される硬質レジン前装冠よりも、硬くて変色しにくく天然歯に近い自然なつや感の出るセラミックの歯にも保険はききません。
銀歯ベースの上にセラミックを焼き付けたメタルボンドと呼ばれるものの他に、より自然な歯に見える金属を全く使用しないオールセラミッククラウンなどもあります。さらにセラミックにもいくつか種類と特徴があり、素材にこだわりだしたらキリが無いほど。
噛み合わせで欠けてしまわない程度の小さい面積なら、奥歯でも保険のプラスチックを詰めるだけで十分問題ないケースもあります。
ちなみに私は奥歯にはあえて白い色にこだわらず、適度にすり減ってくれる18Kゴールドをチョイスして被せてもらっています。
何でも白いものなら良い、高いものなら良いし長持ちする、保険素材が悪い−というものではないので、ご自分が最適だと思うものをチョイスして治療されると良いですね。
そうそう、年間医療費が10万円以上なら、確定申告でいくらか還付されますので、ご自分と、ご家族分の領収書は捨てちゃダメですよ☆!
■結城典子(ゆうき・のりこ)先生 歯科医師。松本歯科大学卒業。帝京大学医学部付属病院歯科口腔外科、日本歯科大学口腔外科を経て、医療法人社団慧諒会 河野歯科一番町デンタルオフィス、新宿西口デンタルオフィスで診療。フードアナリスト一級取得、アロマテラピー検定1級取得。現役女医ユニット「Joy ☆Total Clinic」(カロスエンターテイメント)のメンバー。
