“心臓守る”若きエース  大動脈弁狭窄症の“新技術”普及に邁進

★慶應義塾大学病院 循環器内科特任講師 林田健太郎さん(37)

2013.10.11

 「大動脈弁狭窄(きょうさく)症」という病気がある。心臓には4つの部屋があり、この中を血液が通って全身に送り出されるが、その際に逆流しないように「弁」が設けられている。ところが、動脈硬化などにより、この弁が石灰化し、機能不全に陥ることがある。これが大動脈狭窄症だ。

 慶應義塾大学医学部循環器内科特任講師の林田健太郎医師は、日本における大動脈弁狭窄症に対する「血管内治療」の分野の第一人者。

 本来この疾患は、外科的手術によって弁置換術が行われるのだが、高齢や過去に胸部の手術を経験したなどの理由から、手術ができないケースもある。その場合、これまでは手の出しようがなかったが、このほど新しい医療技術が健康保険で承認された。血管内からカテーテルを使って人工弁を挿入し、機能不全の弁の内側から装着する技術だ。

 「経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)」とよばれるこの治療は、きわめて高度な技術が求められる。そのため人工弁を開発した企業が制定する指導医によるトレーニングが義務付けられているが、林田医師は日本でただ一人、この「指導医」の資格を持つ。

 「手術が不可能という理由で、命を落としていく人を何人も見てきただけに、うれしいですね」と笑顔で語る林田医師。

 今後は自ら行う血管内治療と、指導医としてのトレーニングの両面での活躍が期待されることになるが、その自覚はある。

 「せっかく承認された技術が、未熟な医療技術のために闇に葬られることだけはしたくない。単に技術を広めるのではなく、安全性を担保した普及に力を注ぎたい」

 37歳の若きエースに、日本人の心臓の未来がかかっている。 (長田昭二)

 ■林田健太郎(はやしだ・けんたろう) 1975年、東京都生まれ。2000年、慶應義塾大学医学部卒業。同大学院進学。04年、足利赤十字病院循環器内科。07年、慶大医学部循環器内科助教。09年、杏林大学医学部第二内科助教。仏・ICPS(パリ南心臓血管研究所)留学。12年、慶大医学部循環器内科特任講師。日本心血管インターベンション治療学会専門医。医学博士。

 

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