ぎょう虫症 家族間感染に要注意 潰瘍や腹膜炎の原因にも

2014.06.12


ぎょう虫の卵(小林教授提供)【拡大】

 子供の頃、肛門に貼り付けた専用のセロハンテープを学校へ提出した「ぎょう虫検査」が来年度限りで廃止される。ここ10年以上、検出率は1%以下だが、完全にいなくなったわけではない。肛門がかゆければ感染の可能性がある。

 【肛門に卵を産む】

 人の腸管に住み着く回虫、べん虫、サナダムシなどの寄生虫の検査(寄生虫卵検査)は、通常、ふん便に混じる卵を調べる。しかし、ぎょう虫検査だけはセロハンテープ法を行う。杏林大学医学部感染症学(寄生虫学部門)の小林富美惠教授が説明する。

 「ぎょう虫は盲腸に住み着き、メスは子宮内の卵が満タンになると夜中、寝ている間に肛門の外に出てきて、一気に1万個もの卵を産んで死にます。だから、トイレで拭いてしまう前に朝起きて一番にセロハンテープを貼って卵を検出するのです」

 卵1つの大きさは0・05ミリメートルほど。成虫の体長はメスで8−13ミリメートル、オスは2−5ミリメートルだ。

 【無視はできない】

 ぎょう虫は、手などに付いた卵が口から入って感染する。シーツや衣類に付いた卵が食品に付着して感染するルートなどもある。

 「産んだ卵は数時間で卵の中に幼虫がいる状態になり、それを口にすると感染します。卵は十二指腸で孵化(ふか)し、幼虫は2回脱皮して盲腸へたどり着く。メスは2カ月以内に卵が産める成虫に成長します」

 症状は、卵を産んだ場所の肛門のかゆみ。特に小さい子供では、かゆいので睡眠障害で日中に不機嫌になったり、肛門をかいて傷をつけてしまう場合がある。

 「腸の症状は、少数なら無症状ですが、多く寄生していると下痢や腹痛を起します。多数寄生で腸壁に侵入して潰瘍を形成したり、腸管を突き抜け腹膜炎を起こしたりした症例報告もある。通常、怖くはありませんが、無視はできません」

 【輸入寄生のケースも】

 治療は、駆虫薬を服用する。卵には効力がないので、成虫になる期間を考え、2−3週後に2回目の服用をすればほぼ完全に駆除できる。

 「多くは家族内で感染が広がるので、1人感染の疑いがあれば家族全員の検査と治療を行う必要があります。予防は、掃除を徹底し、下着や敷布を清潔に保ち、手洗いの習慣をつけることです」

 日本は衛生環境がよくなり、東京都予防医学協会のデータによると検査が始まった1959年当時の検出率は約25%だったが、80年には3・2%、99年以降は1%以下が続いている。

 「ただし、日本は特別だと思った方がいい。世界では、ぎょう虫が属する線虫類に感染している人は少なく見積もっても10億人以上いる。国内の流行はないが、海外から持ち帰る輸入寄生虫症のケースもあります」

《「ぎょう虫症」の特徴》
★盲腸に寄生する「ぎょう虫」が夜中に肛門から這い出して産卵する
★産卵すると肛門がかゆくなる。幼児の場合、夜泣き・不眠症などを起す
★手などに付着した卵が口に入って感染する
★多数寄生で下痢・腹痛を発症

 

注目情報(PR)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

実践で使える英会話を習得!業界最高峰の講師がサポートします。毎日話せて月5000円《まずは無料体験へ》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

サンスポ予想王TV

競馬などギャンブルの予想情報を一手にまとめたサイト。充実のレース情報で、勝利馬券をゲットしましょう!