腸捻転 腸管破裂なら致命傷も 自覚症状で早期発見を

2014.06.26


大腸のガスで拡張している腸管X線写真【拡大】

 6月29日は、48年前、最初で最後の来日を果たした「ビートルズの日」。先月、元メンバーのポール・マッカートニー(71)の公演が中止になり、入院中に腸捻転の手術を受けていたことが分かった。腸捻転とは、どんな病気なのか。

 【S状結腸に多い】

 腸捻転は、何らかの原因で腸がねじれてしまい、腸の通過障害を起こす病気。それほど発症頻度は高くないが、高齢男性に起こりやすいといわれている。消化器外科専門医で山村クリニック(東京・茗荷谷)の山村進院長が説明する。

 「大腸はある程度固定されていますが、圧倒的に多いのはS状結腸に起こる腸捻転です。この部分は固定されてなくブラブラしているので、便秘で便がたまるとその重さで、腸管へ扇状に延びる血管が走っている腸間膜の根元を支点にしてクルリとねじれてしまうことがあるのです」

 高齢者は大腸の動きが弱いため便秘を起こしやすく、腸壁も薄くなるので便がたまりやすい。男性は骨盤が狭く、ねじれた腸が自然に戻るスペースが少ないので、女性より起こりやすいと考えられている。

 【致命的なケースも】

 S状結腸の腸捻転は、腹部の膨満感と嘔吐(おうと)、便秘が主症状になる。

 「腸がねじれて血流が止まると、激しい腹部の痛みなどの虚血性の症状が現れます。ただし、高齢者は痛みを感じない人も多い。重症のケースで、血流障害から腸管が壊死(えし)したり、腸管が破裂して腹膜炎を起こすと致命的となる場合があります」

 嘔吐や腹痛などの激しい症状が出ていなくても「便秘をしていておなかが張るのに、おならがまったくでない」、そんな異変があれば早期発見のキーワードになる。検査は普通の腹部X線で、すぐに診断がつくという。

 【まずは内視鏡で戻す】

 腹膜炎や腸管壊死を起こしていないS状結腸の腸捻転の治療は、まず大腸内視鏡を使った減圧・整復が行われる。

 「内視鏡の吸引機能でねじれた腸内の内容物を吸い取り減圧し、それからS状結腸を元の位置に戻します。成功率は76−90%で多くは内視鏡で治ります。一方、腹膜炎や腸管壊死を起こした場合の緊急手術症例では手術死亡率(3−27%)が高くなります」

 ただし、1度内視鏡で治しても、のびのびになっている腸管の再発率は高い。手術リスクが高くなければ、引き続き根治手術が検討される。

 「根治手術は、腸管を20−30センチ切って短くします。高齢者は開腹手術より、術後の負担が少なく、回復が早い腹腔鏡下手術が推奨されます。術後の再発率は5%以下と報告されています」

《S状結腸の腸捻転の特徴》
★高齢男性に起こりやすい
★症状として、腹部膨満感、嘔吐、便秘、激しい腹痛などが現れる
★大腸内視鏡の処置で治るが再発が多い
★根治手術をすれば再発率が5%以下になる

 

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