性同一性障害 違和感あれば精神科へ性別変更は手術が必須

2014.07.10


診察中の針間院長【拡大】

 戸籍上の性別変更を認めた性同一性障害特例法の施行から、16日で10年。国内で医療機関を受診した性同一性障害(GID)患者は約1万8000人。性別で亡くなった後の戒名も違ってくるので、最高齢では78歳で手術治療を受けた人もいる。

 【2重の苦しみ】

 GIDは、心の性と体の性が一致しない先天性の障害。国内での頻度は「体は女性、心は男性(FTM)」が5000人に1人、「体は男性、心は女性(MTF)」は1万人に1人の割合だ。

 受診者の9割近くが性別に違和感をもつ患者で占める「はりまメンタルクリニック」(東京)の針間克己院長が説明する。

 「GIDの苦痛は、自分の本当の性とは反対の体に閉じ込められている苦しみと、周囲から本当の性別で扱われない社会的苦しみがあります」

 原因は、体の性別とは一致しない性別への脳の性分化で起こると考えられている。

 【専門医をチェック】

 例えば、「自分の体が嫌」「自分の性別の服装が嫌」「反対の性別で扱われたい。(反対の)体になりたい」という違和感があればGIDの可能性がある。

 「同性愛は自分の性別には嫌悪はなく、好きになる対象が同性なだけ。GIDは好きになる性別は関係ありません。ただ、心の性別は逆なので、同性の人を好きになる場合が多いです」

 診療科は精神科になり、体の治療が必要であれば泌尿器科や産婦人科、形成外科などが関わる。

 「専門医は日本GID学会所属の医師や、患者団体などに最寄りの医師を紹介してもらったり、医師の評判を聞いて探すのがいいでしょう」

 【現行特例法は不十分】

 診察では医師から、悩みの現状、過去に悩んできた病歴、そして今後どうしたいかを聞かれる。治療方針の決定には今後の希望が重要になる。

 「外見を本当の性別に近づけたいだけなら、定期的に性ホルモンを投与するホルモン療法でもいい。戸籍の性別変更を望むなら、体の性器を性別と一致させる性別適合手術という選択になります」

 というのも、現在の特例法では戸籍の性別変更には要件(別項)があり、手術で性器の外見を変えることが必須。治療は保険適用外で、ホルモン療法は1回2000−3000円、手術はMTFで150万円前後、FTMでは数百万円もかかる。経済的理由で戸籍変更をあきらめているGID患者は少なくない。

 「戸籍変更できれば結婚もできるし、職場など社会での扱いも違う。『手術までしなくても、戸籍の変更さえできれば』という患者さんもいる。海外では手術しなくても性別を変えられる国が増えています。日本の現行の特例法では、まだ不十分だと思います」

《戸籍上の性別変更の要件》
(1)20歳以上であること
(2)現に婚姻していないこと
(3)現に未成年の子がいないこと
(4)生殖腺がないこと、または生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること

 

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