糖尿病、本当に怖いのは合併症 自覚症状なく知らぬ間に病状深刻化 網膜症で失明

2014.09.02


網膜症患者の眼底写真。白丸の個所に出血が見られる【拡大】

 生活習慣病、あるいは遺伝的なものが深く関わる病気として知られる糖尿病。潜在患者、いわゆる予備軍も含めると国民の6人に1人が患っているというからひとごとではない。この病気で怖いのが、合併症。とりわけビジネスマンに致命的な失明も引き起こすというから安穏としてはいられない。

 糖尿病とは血糖値が高くなる病気。原因は、糖を運ぶインスリンというホルモンの不足といわれている。エネルギー源である糖が身体に行き渡らないと立ちくらみや疲れやすくなるといった症状が出るというが、真に怖いのが合併症だ。特に糖尿病神経障害、糖尿病腎症、糖尿病網膜症は患者数の多さから3大合併症といわれている。併発する原因をみさき眼科クリニックの石岡みさき院長が解説する。

 「それぞれ症状は違いますが、主な原因は、高血糖により細い血管が詰まることです。目の場合、血流が滞るとバイパスのような血管が新しく作られるのですが、新生血管はもろいので出血しやすいんです」

 この状態が糖尿病網膜症の初期症状だという。この疾患が怖いのは、出血していても痛みや目のかすみといった自覚症状がないこと。知らぬ間に病状が深刻になっているケースが少なくないという。

 「出血した個所に増殖膜というかさぶたのような膜ができます。これは伸縮する性質を持っていて、伸びたときに網膜にくっついて、縮んだときに網膜を引っ張ります。これにより網膜が剥がれ落ちると網膜剥離(はくり)となって失明してしまうんです」(石岡院長)

 治療法は主に2つ。レーザー照射によって新しい血管の発生を防ぐ方法か、網膜を元に戻す硝子(しょうし)体手術。しかし、いずれも糖尿病網膜症の根治を目指すものではなく、対症療法でしかないという。さらに、一度落ちた視力はレーザー治療では戻らず、硝子体手術でも回復しないことがあるというから始末が悪い。

 この疾患には、早期発見による体質改善が最も有効だと石岡院長は力説する。

 「会社の定期健診や献血、ワンコイン検診などで血糖値を測って、高ければ内科に行ってください。糖尿病と診断されたら一度眼科にもかかったほうがいいでしょう」(同)

 眼科では、目薬で瞳を大きくして診察する散瞳検査をする。糖尿病と診断されていれば、保険がきくので3000円程度。約1時間で済むという。

 網膜症の初期段階であれば、食事療法や投薬、適度な運動といった糖尿病治療によって、改善も見込めるという。

 検査を受けないままに放っておいてたら視界に黒いものがちらつく、ものがぼやけて見えるといった症状が出始める。そうなると失明の一歩手前。もし、血糖値が高いといわれたことがあり、この紙面がかすんでいるようならすぐに眼科に行くべきだろう。

 

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