糖尿病編(20) 働き盛りに「1型」の落とし穴

★糖尿病編(20)

2015.02.22


糖尿病のタイプ【拡大】

 生活習慣が原因の糖尿病では、食生活の見直しは欠かせない。だが、食事や運動などに気をつけても、高血糖状態が改善しにくい人がいる。その中に、知らぬ間に1型糖尿病になってしまっている人がいるそうだ。働き盛りを襲うこともある「1型糖尿病」とは何か。

 【2型と思ったら1型に】

 糖尿病は、血糖値を低下させるインスリンの働きが低下する病気(分類は別表参照)。生活習慣の乱れが一因となる2型糖尿病はよく知られているが、食習慣とは無関係に起こる1型糖尿病についてはあまり知られていない。

 東京女子医科大学病院糖尿病センターの三浦順之助講師が説明する。

 「1型糖尿病は、子供の頃に発症する人が多いため、かつては小児糖尿病と呼ばれていました。しかし、働き盛りの方やご高齢の方にも1型糖尿病は発症します。1型糖尿病には『劇症』、『急性発症』、『緩徐(かんじょ)進行』の3つのタイプがあります。そのうち、緩徐進行1型糖尿病を発症する方は、大人が多いのです」

 1型糖尿病の「緩徐進行」タイプは、2型糖尿病のように健診で「血糖値が高めですね」といわれた人が、数カ月後から年単位で、2型糖尿病の経口治療薬では血糖値を低くすることができなくなるような糖尿病である。ゆるやかに膵臓(すいぞう)のインスリンを分泌するβ細胞が破壊され、インスリンが分泌されなくなってしまうのだ。

 原因のひとつは自己免疫で、β細胞が障害されていく。

 「β細胞が障害されていることを示す指標のひとつに、抗GAD(グルタミン酸デカルボキシラーゼ)抗体があり、この指標を血液検査で調べることが1型糖尿病の診断基準のひとつになっています」(三浦講師)

 【尿糖が多くなる】

 1型糖尿病は、国内では年間10万人に1〜2人程度の発症率で、抗GAD抗体陽性の患者は、2型糖尿病の5%程度に存在すると報告されている。「1型糖尿病発症要因には、まだ特定されていない多くのものがあるはず。2型糖尿病発症要因とは異なるため、患者さんの血糖管理が難しい場合、医療従事者が疑うことが重要です」(同)

 β細胞の破壊が急速に進み、細胞量が20〜30%くらいになってしまうと、血糖のバランスが一気に崩れ、昏睡(こんすい)や意識障害に結びつく糖尿病性ケトアシドーシスという状態になることもある。放置すると命に関わる事態なのだが、適切な治療を受けることで、通常の日常生活をおくることができる。

 「血糖管理が悪いかどうかは、早朝空腹時の尿中に糖がたくさん出ているかどうかが、ひとつの目安になります。尿糖試験紙は、薬局で手軽に入手できます。2型糖尿病といわれている方で、食生活の見直しや適切な薬物治療を受けても、高血糖が改善されないときには、インスリン分泌の低下が原因であることがあります。その場合、緩徐進行1型糖尿病の可能性も考える必要があります」と三浦講師は話す。 (安達純子)

 

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