昭和50年の食事がメタボを救う 代謝は活発に、負担は小さく

2015.03.13


『昭和50年の食事で、その腹は引っ込む なぜ1975年に日本人が家で食べていたものが理想なのか』840円+税(都築毅著、講談社+α新書)【拡大】

 昭和50(1975)年といえば、広島カープが初めてリーグ優勝した年。当時のスタメンを覚えている人でも、この年にどんな食生活を送っていたかと聞かれたら、すぐには答えられない。しかし、この「昭和50年の食事」が、メタボ解消と大いに関係があるというのだ。

 昭和50年のことを克明に思い出せるのは、昭和40年以前に生まれた人だろう。すでに高度成長は成熟期に達し、都市部では公害や大気汚染が深刻化していた。やがて訪れるバブル景気の土台を築いていたこの時期、日本はさまざまな問題を抱えながらも、決して貧しくはなかった。

 そんな昭和50年の日本人の食生活こそが脱メタボ効果、健康効果において最強の健康メニューであると発表したのが、東北大学大学院農学研究科の研究チーム。その研究結果を1冊の本にまとめたのが、『昭和50年の食事で、その腹は引っ込む』(都築毅著、講談社+α新書)。

 著者らのチームは、厚労省の資料を元に、昭和35年から平成17年までの45年にわたる日本人の食事を年ごとに詳細に検証。その結果、最も健康効果が高く、老化を抑制し、肥満を押さえる作用を持っているのが昭和50年に日本人が自宅で摂(と)っていた食事であることを突き止めたという。

 詳細は本書に譲るが、大きなポイントは2つあると著者は指摘する。1つは代謝を活発にさせること、もう1つは体への負担の小ささだ。

 前者は、昭和50年の食事にはご飯、豆類、海藻類など“腹持ちのいい食品”が多いことが関係している。これらは消化吸収のスピードが遅く、食事のエネルギーを熱として放出するため代謝をよくする作用があると著者はいう。これを継続的に摂り続けることで、太りにくい体を作ることが可能になる。

 その証拠に、今と当時の日本人男性の体重を「40歳代」「身長170センチ」の条件で比較すると、当時のほうが今より6キロも軽い。

 2つ目の要因である「体への負担の小ささ」は、「色々な食材をバランスよく食べる」ということによるもの。内臓にかかるストレスが少ないため、がんなどの生活習慣病のリスクが低くなり、長寿に結びつきやすくなると分析する。

 ならば、当時の日本人は具体的に何を食べていたのか。本書には「昭和50年の典型的な食事メニュー」として次のような献立が載っている。

 ◎朝 ごはん、あじの干物、あさりと小松菜の煮びたし、花豆の甘煮、ナスのみそ汁

 ◎昼 サンドイッチ、コンソメスープ、果物

 ◎夜 ご飯、肉じゃが、もずく酢、キャベツと卵のすまし汁

 これといって特徴的な献立とは思えないが、著者によれば、これらの食事(著者は昭和50年の食事を「スーパー和食」と呼ぶ)は、代謝をよくする遺伝子と老化を抑制する遺伝子をきわめて多く発現させることも明らかにしており、今こそ当時のメニューに目を向けるべきと警鐘を鳴らす。

 「ユネスコ無形文化遺産に登録された“和食”のスゴさとありがたみを、あらためて実感できる1冊です」と語るのは、編集を担当した講談社の原田隆氏。

 別掲の「健康のための10の法則」を参考に、昔を思い出して食卓を囲んでみてはどうだろう。 (竹中秀二)

■「昭和50年の食事」に見る健康のための10の法則
(1)少しずつ色々なものを食べる
(2)和食一辺倒は避ける
(3)豆類を多く摂る
(4)1日に1−2個は卵を食べる
(5)ご飯の量は減らさない
(6)1日2杯のみそ汁を
(7)魚は毎日、肉は1日おき
(8)調理は「煮る」を最優先に
(9)食後には果物を
(10)海藻類を多く摂る

 

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