糖尿病編(22) がんと「2型」共通のリスク因子

★糖尿病編(22)

2015.03.15


糖尿病と診断された日本人男性のがん発症リスク【拡大】

 高血糖状態を放置していると、網膜症や腎症、神経障害の3大合併症、心筋梗塞や脳卒中といった大血管病も合併しやすくなることを以前にもこのコーナーで紹介した。加えて近年、糖尿病の人は、がんの発症リスクも高くなることが、明らかにされつつある。生活習慣病による2型糖尿病の人は、別の病気や遺伝が関わる1型糖尿病の人よりも、そのリスクが高くなるとの話だった。

 【糖尿病患者約13%も】

 国内では、糖尿病によるがん発症リスクを調べるべく、日本糖尿病学会と日本癌(がん)学会が2011年に合同委員会を発足。疫学調査をもとに調べた結果、糖尿病男性では、別表のようにがん発症リスクが高まることなどを報告している。

 一方、東京女子医科大学病院糖尿病センターの患者に対する2012年の調査では、3715人のうち約13%にがん治療の既往があることが判明した。

 同センターの糖尿病とがん発症リスクの研究を進める三浦順之助講師が説明する。

 「当センターでは、年1回、通院中の患者さんの病状調査を行っています。当院は、がん診療連携拠点病院にも指定されているため、がん患者さんの比率は、一般的な疫学調査よりも高くなる傾向はあると思います。生活習慣病による2型糖尿病では、大腸がんや肝がん、膵(すい)がんの患者さんも多いです。50代以降で増え始めるのですが、詳細は現在解析を進めているところです」

 女性の糖尿病患者の場合は、乳がん、大腸がん、子宮がんが多いそうだ。

 【がんとの共通要因】

 では、なぜ糖尿病になるとがんの発症リスクが高くなるのか。

 「2型糖尿病とがんには、共通のリスク因子があるのです」

 三浦講師によれば、(1)加齢(2)男性(3)肥満(4)少ない身体活動(運動不足など)(4)不適切な食事(牛肉や豚肉などの赤肉・加工食品の摂り過ぎ、食物繊維の少ない食事)(5)過剰飲酒(6)喫煙など。

 これらは、2型糖尿病とがんのどちらの発症リスクも高める。結果として、2つの病気が同時進行的に発症する。あるいは、糖尿病発症後にがんになるといったことが起こりやすいそうだ。

 「2型糖尿病の方が食生活の見直しをすると、がんの発症リスクを抑えることにもつながります。血糖値のコントロールを積極的に行っていただきたいと思います」(三浦講師)

 厚労省の特定健診で、空腹時血糖100mg/dl以上もしくはヘモグロビンA1c5・6%以上となり、「血糖値が高め」との結果を受けたならば、放置せずに食生活の見直しを行うと、がん予防にもつながるというわけだ。

 「早い段階で血糖値をコントロールすると同時に、定期的ながん検診も早期発見に役立ちます。市区町村単位で行われているがん検診や、人間ドックなどを活用していただきたいと思います」と三浦講師は話している。 (安達純子)

 

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