じつはわかっていない子供のキモチ 親の間違いを自分のせいにして心身症に…

2015.11.11


イラスト・メソポ田宮文明【拡大】

 ストレスに苦しむのは大人だけではない。子供だって悩んでいる。しかも、その原因が大人、まして「親」にあるとなれば、事態は深刻だ。わかっているようで、じつはわかっていない子供の気持ちをのぞいてみると−。

 ◇

 Y君は、小中高一貫校の小学6年生。父親は一流企業の課長、母親は専業主婦、Y君は一人っ子。誰もがうらやむ理想の一家だが、彼は悩んでいる。

 小さな頃からまわりに気を使う性格で、周囲の大人が喜ぶように振る舞うことを自らに課してきた。品行方正も成績優秀も、そうすることで親や教師が喜ぶから。なのに大人、特に母親は、それが自分の育て方によるものと思いこみ、周囲に自慢する。家に帰れば「勉強しなさい」「いい子でいなさい」の連呼。そんな母親の存在がY君には耐えられないのだが、子供の身ではどうすることもできない。

 気の毒にY君、ストレスから腹痛や食欲不振などの身体症状を見せるようになり、成績も下降し始めた。

 「Y君のような子供ほど、親の間違いを自分のせいにしようとする。なのに親は気付かない」と語るのは、東京女子医科大学小児科教授の永田智医師。その症状は多岐にわたるという。

 「一種の心身症で、腹痛や頭痛などはもちろんですが、立てない、歩けない、といった極端な症状を見せる子もいる。親の期待に応えようとして頑張り過ぎて、体が悲鳴を上げているのです」

 こうしたケースでは、子供ではなく親のほうを変える以外に子供を救う手立てはない。

 「ここまで子供が追い込まれるような場合は、親を納得させるのが難しい。小児科だけでなく、複数の医療スタッフが親と面会して、『お子さんだけの問題ではない』『あなたが変わらなければ』と話して理解を促すしかないのです」と永田医師。お医者さんも大変なのだ。

 母親の説得には月日を要したが、途中から父親が話に加わったことで理解が得られ、Y君のストレスは軽くなった。頭のいい子だけに、自分の置かれた状況を母親以上に理解しているようだ。

 自分の経験を生かして、立派な大人に、そして立派な親になってほしいものだ。 (長田昭二)

 

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