「帯状疱疹」 疲労やストレスでウイルスが活性化

2015.12.09


イラスト・メソポ田宮文明【拡大】

 ただでさえ忙しい年末。ストレス源もフルパワーで、勤勉なる労働者の体を攻撃する。それでも元気な若者たちは、強い免疫力で立ち向かえるが、疲労困憊(こんぱい)のお父さんの体は、あっという間に撃破されてしまう。あわれ敗残兵の体には、点々と残る「水痘(すいとう)」のあと…。

 ◇

 Kさん(65)は、零細企業の経営者。寅さんの家の裏のタコ社長みたいな人−と思ってもらって差し支えない。

 業績は悪いが、社員に賞与は出してやりたい。そんな親心がストレスとなり、頭痛に見舞われた。

 1週間近く、右側の後頭部の激痛に苦しんだ。ようやく治まってきたと思ったら、今度は顔の右半分に水痘が…。あわてて病院に行くと、即入院を言い渡された。病名は「帯状疱疹(ほうしん)」だ。

 「よほど疲れていたのでしょう」と気遣うのは、東邦大学医療センター大橋病院麻酔科准教授の青山幸生医師。Kさんのように、強い疲労やストレスで帯状疱疹を発症する人は少なくないという。

 「子供の頃にかかった“水疱瘡(ほうそう)”は、治ったように見えて、じつはウイルスは体内に潜んでいる。普段は免疫で押さえ込まれていますが、疲労やストレスで免疫が落ちると、ウイルスが活動性を高めて再発する。これが帯状疱疹です」(同)

 病名の通り、神経に沿って帯状に発症する。皮膚症状の前に神経痛が出ることが多く、Kさんの経験した頭痛も、じつは頭の神経痛だったのだ。

 「1週間ほど入院して、抗ウイルス薬を投与すればよくなりますが、きちんと治療しないと、皮膚症状が治った後も神経痛だけが残ることがあるので要注意」と青山医師。

 この繁忙期に1週間に及ぶ経営者の不在は、会社にとって致命傷と思われた。ところがその間、代わって会社を切り盛りしていた息子が、どういうわけだか取引先のウケがいい。

 顔の右半分に水痘のあとを残したまま復帰したKさんに、周囲は「安心して引退できますね」と声をかける。あと10年は現役で頑張るつもりのKさん。水疱瘡のウイルスに、世代交代を迫られた形だ。 (長田昭二)

 

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