腹部膨満感 呼吸もままならず救急車のお世話に

2015.12.23


イラスト・メソポ田宮文明【拡大】

 食べ過ぎて苦しい思いをしたことは誰にでもある。しかし、おなかの中でガスが充満し、七転八倒の苦しみに襲われる−という経験は、あまりない。時にストレスはそんなことさえ起こすのだ。下手をすれば救急車のご厄介になることも…。

 ◇

 Aさん(40)は食べてストレスを発散するタイプ。あまり健康的な対処法ではないのだが、若い頃から嫌なことがあるたびに「ドカ食い」でしのいできた。当然メタボだ。

 好物は「卵かけごはん」。生卵とおしょうゆさえあれば、ほかにおかずがなくてもご飯を何杯でも食べられると豪語する。あまり自慢にはならないのだが…。

 その日も会社で嫌なことがあり、腹を立てて帰宅した。ちゃんと奥さんが夕食の準備をしてくれているのに、どんぶりにご飯をよそうと、立て続けに3杯、卵かけごはんを平らげた。それは「食べる」というよりは「飲みこむ」に近い摂取法。

 そのまま風呂に入り、出てくるとまたどんぶりで2杯かきこんだ。計5杯。まるで相撲取りだ。

 夜半、苦しくて目を覚ました。腹がパンパンに張って呼吸さえままならない。妻を起こして緊急事態宣言を発令。救急車で病院に担ぎ込まれた。

 画像診断の結果、Aさんのおなかは大量のガスが充満していることが分かった。早い話が「ガスだまり」だ。

 「ストレス食いをする人に見られる現象です」と語るのは、獨協医科大学医学部教授の中村哲也医師。続けて解説する。

 「食事と一緒に多量の空気を飲み、消化不良の食べ物が腸内細菌の働きでガスを発生したものと考えられます。体内温度は37度前後と温かく、未消化の大量の卵かけごはんが、いわば醗酵したのです」

 口からイレウス管という医療器具を入れられ、どうにかガスを抜いてもらったAさん。翌日は会社を休んだが、さすがに「卵かけごはんの食べ過ぎでガスがたまって救急車−」とは言えず、「腹痛のため」とウソの申告。

 好きなものを食べるなとは言わないが、世の中には限度というものがある。いくらストレスがたまっているとはいえ、「ほどほど」を忘れると、痛い目に遭いますよ。 (長田昭二)

 

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