てんかん発作 睡眠を取り、疲れをためないことが大切

2016.02.03

イラスト・メソポ田宮文明
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 交通事故などのニュースで時折話題になる「てんかん」。脳の異常な電気信号で興奮し、意識障害を起こす病気だ。しかし、てんかんの患者が常に発作に見舞われているわけではない。ストレスを減らし、疲労をためないことで、安定した日常を送ることは可能なのだ。

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 Hさん(40)は、8年前に突然自宅で意識を失い、病院に担ぎ込まれた経験を持っている。検査の結果「てんかん」と診断されたが、投薬治療が功を奏し、その後は発作もなく安定した状態が続いていた。

 ところが昨年、てんかん発作を会社で起こした。当時は仕事が忙しく、深夜までの残業が続いていた。

 「持病にてんかんを持っている人は、ストレスや疲労、睡眠不足で発作のリスクが高まる」と語るのは、朝霞台中央総合病院(埼玉県)脳卒中・てんかんセンター・センター長の久保田有一医師。続けて解説する。

 「ストレスがてんかん発作を引き起こす機序(きじょ=しくみ)は分かっていません。ただ、ストレス状態が続くと脳が酷使され、疲労に対する閾値(いきち=限界の最小値)が下がるのは事実。また、睡眠不足も脳を疲れさせるので、それらの要因が複合的に絡み合って発作に結びつく可能性もあります」

 幸いにもHさん、その発作の時も、事情を知っている同僚が救急車を呼び、大事には至らなかった。

 「“てんかん”というと、当人はもとより、周囲がネガティブに考えてしまいがちですが、患者自身がきちんと治療を実践し、周囲がこの病気の正しい知識を持っていれば、必要以上に恐れることはありません。病気に対する理解を深めることが何より重要」と久保田医師は強調する。

 その発作以降、Hさん自身も仕事をため込まないように注意し、職場でのサポート体制も充実した。以来発作もなく、投薬を続けている以外は、他のスタッフと変わらない生活を送っている。

 病気の「ある一面」だけを見ると差別の温床にもなりかねない。しかし、病気は誰の身にも起き得る危険性がある。そのことを患者も、その周囲も知っておくことが重要なのだ。 (長田昭二)

 

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