脳脊髄液減少症 頭痛、吐き気…起き上がれない人も

2016.02.25

ブラッドパッチ治療をしている高橋副部長
ブラッドパッチ治療をしている高橋副部長【拡大】

 1月、脳脊髄液減少症の代表的な治療法(ブラッドパッチ)の保険適用が承認された。この病気は、横になって起き上がると、頭痛やめまいなどの症状が悪化する特徴がある。疑いがあれば、専門医にきちんと診断してもらおう。

 【髄液が漏れて発症】

 脳や脊髄は硬膜という膜で包まれていて、その中は髄液という液体で満たされている。脳脊髄液減少症は、外傷や何らかの原因で髄液が漏れ出すことでさまざまな症状が現れる。この病気に詳しい山王病院・脳神経外科の高橋浩一副部長が説明する。

 「脳や脊髄は髄液の中で浮いている状態なので、髄液が漏れると髄液圧が低下して、脳や脊髄が引っ張られたりすることで多岐にわたる症状が引き起こされると考えられています」

 米国の論文から換算すると、国内では少なくとも年間5000人は発症しているとみられている。発症時の平均年齢は40代だ。

 【発症初期は安静に】

 発症を疑うポイントは、(1)症状が連日続く(2)MRIなど含め病院の各種検査で異常がない(3)痛み止めや向精神薬など薬の効果が乏しい(4)運動で症状が悪化すること。症状が強いと、起き上がれない人もいるという。

 問題は、適切に診断、治療できる医師がまだ少ないことだ。

 「病院の検査で診断がつかず発症が疑われる場合は、まず1週間くらい安静(横になる)にして、水分補給を十分取ることです。そうすることで、発症初期であれば髄液の漏れが自然と止まる可能性があるからです」

 それでも症状が続くようなら専門医を探した方がいい。日本脳脊髄液減少症研究会に所属する医師であれば多くは対応できるという。

 【自分の血液を注入】

 診断するには、髄液の漏れを確認するRI脳槽シンチ、CTミエロ、MRミエロなどの特殊な画像検査が必要になる。そして、高い治療効果が期待できるのが、これまで先進医療で行われてきたブラッドパッチだ。

 「この治療法は、患者さん自身から採取した血液(男性30cc、女性20cc)を髄液が漏れている近くの硬膜の外側に注入します。それだけで漏れが止まるので、非常に簡単にできます」

 治療後は2泊して退院。治療回数は、半年ほどあけて平均2〜3回行う。部分改善を含めた改善率は75%という。ただし、治療はあくまで髄液の漏れを止めるだけ。療養生活を長く続けてきたような患者の場合は、自分から積極的に体力を回復させる(元の生活に戻ろうとする)努力が大切になるという。

 「ブラッドパッチが保険適用になり、今後は診療できる医療機関も増えてくると思っています」

 《脳脊髄液減少症で現れる主な症状》

 頭痛、吐き気、首の硬直(異常なコリ)、疲れやすさ(けんたい感)、めまい、視覚の異常など

 ※上記のような症状が立っていると悪化し、横になると軽くなる

 

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