急性膵炎 飲み過ぎたら背中に激痛

2016.05.11

イラスト・メソポ田宮文明
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 酒を飲み、したたか酩酊(めいてい)して床に就いたものの、突然の背中の痛みで目を覚ます。「急性膵(すい)炎」の典型的な発症ケースだ。大の男が涙を流しながら、「もう二度と酒なんか飲みません」と誓いを立てるほどの激痛なのだが…。

 ◇

 ある日の明け方、救急車で病院に担ぎ込まれたのはHさん(50)。泥酔して寝ていたら背中に痛み、それも半世紀に及ぶ人生でも経験したことのない激痛に恐れをなし、救急車を要請したのだ。

 血液検査とCT、超音波検査の結果、「急性膵炎」と診断された。

 Hさんは以前、父親が似たような症状で入院したときのことを考えていた。その時は「腎臓結石」だったので、おそらく自分もそうだと思い込み、妻に「これは間違いなく結石だ」と宣言していた。それだけに、「間違いなく膵炎」と分かったときは恥ずかしかった。そのまま入院し、退院できるのは2週間後の見通しだ。

 Hさん、前夜はかなり痛飲したらしい。

 「2軒目までは上役のお供でしたが、そんな酒は気を使うばかりでうまくない。3軒目からは1人で思う存分飲みました。結局何軒回ったのか…」

 今時そんな飲み方をする人も珍しいが、よほどストレスがたまっていたようだ。

 「大量のアルコールで膵臓が障害を受け、膵臓が出すアミラーゼという消化酵素の流れが悪くなり、膵臓自身を溶かし始めるのです。痛いのも無理はありません」と語るのは、栃木県下野市にある石橋総合病院内科部長の上野尚之医師。

 下戸が無理して酒を飲んだときよりも、大酒飲みがストレスを抱えて痛飲したときなどに多いこの病気。最悪の場合、命を落とすこともあるというから、ヤケ酒も命がけだ。

 「入院中は絶食はもちろん、水も刺激物になるので飲めません。退院後のお酒もできれば控えていただきたい」と上野医師は遠慮がちに言うが、膵臓のことを思えば「生涯禁酒」を言い渡されても不思議ではないのだ。

 とりあえずHさん、今のところはお酒との決別をほのめかしてはいるが、まあアテにはならない。2週間後の身の振り方に注目しよう (長田昭二)

 

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