【血圧を下げる新常識】冬の血圧上昇は危険! 「高齢者は高めでよい」は誤り

2017.01.18

血圧の改善は、まず食生活から
血圧の改善は、まず食生活から【拡大】

  • <p>桑島巌医師</p>

 血圧を下げるには、さまざまなコツが必要だ。この連載では、毎週、生活習慣の見直し、薬の乗り換え、量の増やし方など、多角的な視点で血圧を下げる方法を紹介していく。自分に合った対処法を見つけよう。

 ◇

 冬場は、血管が収縮して血圧が上がりやすい。動脈硬化の進んだ血管では、急激な血圧変動で血栓が生じ、心筋梗塞や脳梗塞を起こすことがある。さらには、血圧の乱高下で、浴槽や風呂上がりに意識不明になることも。そんなリスクを避けるには、日頃から異常に高い血圧は下げておくことが大切になる。

 過去の疫学調査から、脳卒中や心筋梗塞のリスクが低いのは、収縮期血圧120(単位・mmHg以下同)、拡張期血圧80であり、この値が「至適(してき)血圧」とされてきた。

 ただし、このレベルまで高血圧患者の血圧を薬で下げることが、患者の寿命を延ばすと考える専門家は非常に少なかった。最近、この問題に関して、米国からのビッグニュースが世界を驚かせている。

 「2015年、米国国立衛生研究所(NIH)が公表した『SPRINT試験』で、上の血圧を降圧薬で120まで下げた群と140までの群を比較したところ、120まで下げた群では、心不全や心血管死が有意に抑えられていました。75歳以上の後期高齢者も約半数含まれており、これまで『高齢者の血圧は高めでよい』とされてきた常識を覆す、画期的なデータとして注目されました」

 こう説明するのは、高血圧治療のスペシャリスト、NPO法人臨床研究適正評価教育機構理事長の桑島巌医師。科学的な根拠に基づく医療の推進などに力を注ぐ。

 「従来、180以上もあるような高血圧の人に対して、降圧薬で至適血圧まで下げることは、世界的にも懐疑的でした。今回のデータは一石を投じる内容だったのです」

 ただし、血圧を下げる基本は食生活の見直し。それでも下がらないときには、個々の高血圧タイプにあった適正な治療法が求められる。どのような薬にも副作用が伴うため、多量に使用すればよいという話ではない。

 「一律に血管を広げるタイプの薬から始めるのではなく、少量の利尿薬から始めるなど、その人のタイプにあった降圧薬の使い方が重要です。そのさじ加減は、高血圧治療の専門医であればわかります。また、薬を上手に活用して、塩分を控えるなどの生活習慣を見直すことで、その後、薬が不必要になった患者さんもいます」

 次回以降も「血圧を下げる」さまざまな事例を掘り下げていく。 (安達純子)

 
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