「高齢者」の年齢引き上げに根本的問題 男女とも75歳に届かない健康寿命

2017.02.15

 75歳から高齢者? 皆さま、どう思われますか。

 日本老年学会などが1月5日、現在「65歳以上」と定義されている「高齢者」を75歳以上に引き上げるべきだとの提言を厚生労働省にしました。65歳で高齢者とするのは、いかにも早すぎる感がありました。

 医療の進歩や生活環境の改善により、10年前に比べ身体の働きや知的能力が5−10歳は若返っているとの判断からです。今、前期高齢者とされている65−74歳は、「准高齢者」とし、社会の支え手として捉え直すことで、活力のある高齢化社会に繋がるとしています。90歳以上は「超高齢者」と呼ぼうとするものです。

 しかし、将来の社会保障や雇用制度の在り方にも影響が出るのではという見方もあります。その前に、現実を見据えると根本的な問題が浮かび上がってきます。「健康寿命」が驚くほど短いのです。

 健康寿命は2000年にWHO(世界保健機関)が提唱した概念で、真に健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のことです。最新の日本人の健康寿命は、男性71・2歳、女性74・2歳でしかありません。なんと、男女とも75歳に届かないのです。平均寿命と健康寿命の間、すなわち不健康期間は、男性で約9年、女性で約13年もあります。

 誰もが、健康でいきいきとした生活をいつまでも送りたいと思っています。人生の最期まで、自分で考え、自分で食べて、自分で歩ける。健康寿命を延ばすことが、いかに大切か。でも、なかなか健康寿命は延びていません。具体的な方策を政府が打ち出すほうが、超高齢化社会を乗りきる上で得策と考えます。

 できるだけ健康寿命を長くして人生を全うするにはどうしたらいいか、そのキーワードが「未病」という概念です。未病という考え方は超高齢社会に対する一つの解決策になるかもしれません。次回から「未病」のお話です。

 私には、高齢者は70歳以上にすることが妥当であると思えるのです。

 ■栗原毅(くりはら・たけし) 医学博士。栗原クリニック東京・日本橋院長。前慶応大学特任教授。「血液サラサラ」という言葉を提唱し、著書やメディア出演などを通じて予防医療の大切さを訴えている。

 

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