【今日のストレス 明日の病気】ドライアイ 目を温めると保湿効果アップ

2009.09.29

 システムエンジニアのTさん(43)は、最近コンタクトレンズが入らなくなってしまった。四半世紀にわたるコンタクト歴を誇る彼にとって、これは一大事。慣れないメガネを鼻の脂で滑らせながら、「なぜだろう?」と首をかしげるのだが…。

【トラブル処理で長期出張、コンタクトが入らない!!】

 高校でハンドボール部員だったTさんは、先輩の勧めで使い始めて以来のコンタクトレンズ派。

 周囲で「コンタクトが合わない」という人の声を聞いても、なぜ合わないのかが分からない。入れるのも外すのも3秒とかからない熟練の技術を持つ彼にとって、コンタクトレンズはまさに体の一部と化していたのだ。

 ところが、そんな彼の目に違和感が生じたのは1カ月ほど前のこと。取引先でのトラブル処理のために2週間ほど出張した先で、痛くてコンタクトが入れられなくなってしまったのだ。無理して入れると痛いだけでなく真っ赤に充血してしまうのだ。

 「原因はドライアイ。おそらく涙の状態が変化してドライアイになり、コンタクトが入らなくなったのでしょう」と語るのは、日本のドライアイ研究の第一人者で慶應義塾大学医学部眼科教授の坪田一男医師だ。

 「コンタクトレンズというのは、実際には“コンタクト”ではなく“フローティングレンズ”。つまり、涙に浮いた状態が正常なんです。ところがドライアイになると浮くべき涙が足りなくなるので、レンズが眼球の表面を擦ってキズや炎症を起こしてしまうのです」

 システムトラブルの対応、しかも長期の出張という状況が、目に見えぬストレスとなって彼の目を乾燥させていたことは想像に難くない。

 対策はストレスをなくすことに尽きるが、坪田医師は限局的な対策として“目を温める”ことを奨励する。

 「温かいおしぼりをまぶたに乗せるか、あるいは熱いお茶の入った湯飲みの口に顔をかざし、目に湯気を当てるだけでもいい。目を温めることで涙の成分のうち脂分が出やすくなり、目の表面の保湿効果が高まります」

 昔作った古いデザインのメガネで窮状をしのいでいるTさん。お茶の湯気を当てる時はメガネを取りなさい。あ〜あ、曇っちゃったよ。(長田昭二)