「顎関節症」 睡眠中に歯を食いしばりあごにダメージ

2015.07.15


イラスト・メソポ田宮文明【拡大】

 あごが痛くて口を閉じられない。これほど当人にとって情けなく、傍から見ていて面白い現象はない。原因は、あごにかかった過剰な荷重。昼間歯を食いしばって頑張るお父さんは、夜寝ている間も歯を食いしばっている。気の毒なのは「あごの関節」だ。

 ◇ 

 朝起きたら口を閉じられなくなっていた−。これは一大事だ。歯を磨けば、水だかよだれだか分からぬ液体が口の横から垂れてくる。パンもサラダもかむことができないので、朝っぱらからお茶づけを流し込んで会社に向かう。何より「普通の会話」ができなくなるのだから、仕事にも影響が及ぶことになる。

 一大事には違いないが、Oさん(44)にとって、これは初めての経験ではない。過労、疲労、ストレス過多の時にしばしば見られる“症状”なのだ。

 「典型的なストレス症状。最近では中学受験のストレスで顎(がく)関節症になる小学生もいるほどです」と語るのは、JR東京総合病院歯科口腔(こうくう)外科の青木秀啓部長。続けて解説する。

 「人間は、ストレスがかかると“歯を食いしばる”という反応を示します。この状態が睡眠中に持続することで、あごがダメージを負ってしまうのです。突然発症することもあれば、徐々に進行することもある。片側だけのケースや両側性など、発症形態はさまざまです」

 Oさんは過去の経験から、「会社に着く頃には治っている」と思い込んでおり、この日も気が付くと治っていた。しかし青木部長によると、まれに手術が必要になることもあるというから、甘く見るのは禁物だ。

 「スプリントとよばれるマウスピースを付けて寝る、精神を安定させる漢方薬の服用などいくつかの治療法がありますが、何より重要なのはストレスの原因を取り除くこと。お風呂の中で口を大きく開ける運動をすると、あごの運動と精神的な解放感も得られて一石二鳥です」(青木部長)

 一昔前のお父さんなら、お風呂で都々逸(どどいつ)の一つもうなってストレスを発散できたが、現代の住宅事情はそれを許さない。まずは、歯医者さんに行って事情を話し、相談に乗ってもらうことから始めましょう。 (長田昭二)

 

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