冠攣縮性狭心症 発作時間短く病院に行くとおさまってしまう

2015.10.28


イラスト・メソポ田宮文明【拡大】

 本当に体に異変を感じているのに、病院に行くとおさまってしまい、結果として恥ずかしい思いをする−ということがある。問題がなかったのなら喜ぶべきなのだが、気にする人は気にするようで…。

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 その日の明け方、Eさん(62)は、かつて経験のない胸の痛みと締め付け感に襲われた。

 異変に気付いた妻が、「救急車呼ぶ?」と尋ねる。何事においても控えめな性格のEさんだが、今回ばかりは命の危険を感じた。妻が119番に電話をすると、10分ほどで救急車がやってきた。

 総合病院に運び込まれて心電図や心エコーによる検査を受けたが、異常は見つからない。じつはEさん、病院に搬送される途中で症状がおさまっていたのだ。

 しかし、救急車まで呼んでおきながら、「治っちゃいました」というのも恥ずかしい。多少の演技を交えて医師に自分が病人であることを認めてもらうことに力を入れる。

 結局、24時間ホルター心電計を付けて帰宅したが、やはり異変は起きなかった。

 「こういうことは珍しいことではない」と語るのは、茨城県鹿嶋市にある小山記念病院循環器科医長の江角仁志医師。経験豊富な医師であれば、Eさんが仮病や詐病(さびょう)でないことは理解できるという。

 「冠攣縮(かんれんしゅく)性狭心症という比較的発作時間の短い狭心症が疑われます。狭心症だから、発作の最中は激痛に襲われるし、命の危険を感じるのも無理はない。でも、発作が止まれば、何事もなかったようにおさまってしまう」

 江角医師によれば、症状が出たときのためにニトログリセリンが処方され、普段はカルシウム拮抗(きっこう)剤でコントロールするのが一般的だという。

 近所の人も会社の同僚も、Eさんを心配してくれる。それは彼の人柄によるものだが、当の本人は居心地が悪そうだ。

 「もう痛くも苦しくもないのに、会社は『しばらく休め』と言うし、世間体もあるので出歩くのも気がひける。かえってストレスがたまります」

 そんな周囲に気を使う性格が次の発作を呼び込まないか、心配だ。 (長田昭二)

 

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